「インドの超富裕層」は桁外れ…ダウン症のある娘との世界一周旅、飛行機での奇跡の出会い
待望の第一子を産んだ直後に、ダウン症と知らされたフリーアナウンサーの長谷部真奈見さん。出産当初は娘がダウン症である事実を受け入れることができず、誰にも明かせないまま、自殺を考えるほど思いつめた時期もあったというが、今では娘さんとの楽しい日々をブログなどで積極的に発信している。 【画像】機内で意気投合しディナーに招いてくれたインド人セレブの生活 今春、娘さんは卒業し、現在長谷部さんは、娘さんと夫の3人でなんと世界一周の旅に出発した。前回では世界一周を始めたいきさつと、ベトナムでの日々をお伝えした。今回は、人口過密地域であるインドでのリアルに味わったカルチャーギャップについて、前後編でお伝えする。
どこに行っても「受け入れる」心がある娘
飛行機で約1時間半、再びインドの首都、ニューデリーへ戻ってきた。予約していた『タージマハルホテル』へ到着すると、これまでの喧騒を全て忘れるほど落ち着いた、素晴らしいホテルに心から安堵し、私たちは、ゆっくりシャワーを浴びると、ベッドに倒れ込むようにぐっすり眠れる夜を過ごした。 翌朝、ホテルの朝食は、娘が自分で食べたい物を選びたいと言ったため、ビュッフェ形式のレストランを選んだ。私がインドのローカルな朝食や、珍しいスイーツに大興奮している隣で、娘は、クロワッサンに、ハムとチーズ、スクランブルエッグにベーコン、ポテトと、いつも通りのメニューを選び、満足そうに食べていた。旅先における娘の食事に関しては、神経質になりすぎないように心がけ、娘の食べたい物を最優先にしている。そのため、インドであっても、娘はよくパスタを食べたりしていた。 インドで困ったのは、街中にハエなど虫が沢山飛んでいて、ホテルのレストランで食事をしていても、普通にハエが飛んできて悩まされた。世界には様々な国があり、気候も風土も習慣も違っていることはわかっていても、どうしても日本と比べてしまう癖が染み付いている私にとって、トイレに限らず、どこもかしこにも苦手な虫がいるという衛生環境は悩みの種だった。しかも、感染症に弱い娘のことも私の心配を強くしていた。 しかし、そんな私の心配をよそに、「日本と比べる」といった意識も習慣もない娘は、どこに行ってもすべてすんなりと普通に受け入れていた。特別怖がることも、嫌がることもなかった。親バカと言われるかもしれないが、これには本当に素晴らしいと感心した。堂々としている娘を羨ましくさえ思った。 世界は広い。日本から一歩外に出れば、日本の常識や、自分の常識は通用しない。その地その地の慣習やルールがある。この旅を通して、日本や自分の常識がすべてではないということが娘に伝わっていると良いなと思っていたが、それができていなかったのは私の方で、娘はすでにそれを習得しているように見えた。