娘が20歳になりましたが「年金手帳」を持っていないことが発覚!「学生にも送られるもの」と思っていたのですが、今は違うのでしょうか?
国民年金は、20歳になると加入義務が生じます。そのため、かつては20歳になると「年金手帳」が送付されていました。多くの人がその時期に年金手帳を手にした経験があるでしょう。そのため、子どもが20歳を迎えたにもかかわらず、「年金手帳をもらっていない」と言っていると、疑問に思うかもしれません。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる? なぜこのような状況が発生するのか、年金手帳の仕組みと現在の制度について解説しましょう。
年金手帳とは?
年金手帳は、国民年金や厚生年金の被保険者に対して発行される書類で、加入者一人ひとりに割り当てられる基礎年金番号を記載したものです。基礎年金番号は、年金制度の加入履歴や保険料の納付状況を管理するための重要な番号であり、生涯にわたって使用されます。 従来は、20歳になると国民年金への加入義務が生じるタイミングで、初めて年金手帳が発行されるのが一般的でした。 また、20歳未満でも会社員であれば厚生年金に加入するため、年金手帳が発行されていました。会社によっては、従業員の年金手帳を保管していることも多かったようです。この手帳は年金手続きの際に必要なものであり、年金制度の象徴ともいえる存在でした。
年金手帳はすでに廃止されている?
ただ、年金手帳は2022年4月をもって廃止され、現在は発行されていません。廃止の背景には、年金制度のデジタル化があります。従来、紙の手帳で管理されていた情報は、全てデータベース上で管理されるようになりました。 これにより、基礎年金番号や加入履歴はオンラインで確認できるようになり、手帳そのものの役割が薄れたのです。また、個人情報の保護や手続きの簡素化も、この改正の目的に含まれています。
年金手帳の代わりは?
年金手帳が廃止された現在、その代わりとして「基礎年金番号通知書」が発行されます。この通知書には、基礎年金番号が記載されており、必要な場面では従来の年金手帳のように使用されます。ただし、この通知書は紙1枚の簡素な形式であり、従来の手帳と異なり、保管や再発行に注意が必要です。 さらに、現在では年金情報をオンラインで確認できる「ねんきんネット」というサービスが提供されています。ねんきんネットを利用すれば、加入履歴や年金保険料の納付状況などをいつでも確認できるため、手元に通知書がなくても対応が可能です。 このようなデジタル化により、年金手帳がなくても問題なく年金制度を利用できる環境が整っています。