新型「パニガーレV4 S」に魅せつけられたトップグレードの威力 ドゥカティのスーパーバイクは第7世代へ
トップカテゴリで活躍し続ける、ドゥカティの研鑽
ドゥカティのスーパーバイク「パニガーレV4 S」のデビューは2018年のこと。その当時、試乗会が行なわれたヴァレンシアサーキットのメインストレートでは、これまでに感じたことのない加速感に驚愕したことを今でも覚えています。スロットルを全開にすると強烈なダッシュを見せ、ハンドルを左右に震わせ加速。それがLツインエンジンには無かったV4エンジンとの出会いでした。 【画像】ドゥカティ新型「パニガーレV4 S」(2025年モデル)を画像で見る(24枚)
それ以来、僕(筆者:小川勤)は「パニガーレV4 S」がモデルチェンジする度に試乗してきました。共通していることは、パワーが足りないと思うことが1度もなかったということです。もちろんそれは第7世代になった2025年モデルも同様です。 そんな2025年モデルの「パニガーレV4 S」の試乗会が、イタリアのヴァレルンガサーキットで開催され、参加してきました。日本には2024年内の導入を予定しており、価格(消費税10%込み)は「パニガーレV4 S」が414万1000円、足まわりの装備などが異なる「パニガーレV4」は323万9000円です。 走り出すと、素晴らしいパワー&トルク感、エキゾーストノートはそのままですが、これまでとは少し感覚が異なりました。新しい「パニガーレV4 S」は、その強大なパワーをいかなる時も効率的に路面に伝えてくれます。僕のような本格的なレースキャリアのないライダーが、かつてないほどポジティブに「パニガーレV4 S」を楽しめたのです。 216psのスロットル全開時の加速感や、信じられない減速率でのブレーキング、その操作のすべてを電子制御に頼りきると、まるで自分のスキルが向上したかのようなフィーリングを「パニガーレV4 S」は教えてくれます。 今回はピレリ製スリックタイヤでの試乗ですが、頼るほどに心強くなる感覚はタイヤの恩恵だけではないでしょう。第7世代になったスーパーバイクは、シャシーと電子制御を一新し、ライダーに寄り添う進化を果たしてきたのです。