サウジ未来都市ネオム計画のCEO退任、目標未達が一因か
Nayera Abdallah [ドバイ/リヤド 12日 ロイター] - サウジアラビアの実権を握るムハンマド皇太子が主導する未来都市「NEOM(ネオム)」計画で、建設に携わる企業ネオムの取締役会は12日、最高経営責任者(CEO)を長く務めたナドミ・アル・ナスル氏が退任したと発表した。理由は明らかにしていない。 この件に詳しい情報筋はロイターに対し、主要目標の未達が一因と語った。ただ、どの目標なのかは明示しなかった。 同社取締役会はCEO空席に伴い、アイマン・アル・ムダイファー氏を代行に任命した。同氏は2018年から政府系ファンド「パブリック・インベストメント・ファンド」(PIF、運用資産9250億ドル)の現地不動産部門の責任者を務め、ネオム計画に造詣が深いという。 未来都市建設は5000億ドル規模の事業計画。ベルギーの面積にほぼ匹敵する。脱石油依存を掲げるムハンマド皇太子の計画「ビジョン2030」の軸になっているが、コスト上昇のため計画の一部は縮小を余儀なくされている。 ロイターは5月、ネオム計画の資金供給源であるPIFが自らの再編を検討しており、投資先を有望案件に絞ることを目指していると報じていた。