「自分プロジェクト」に取り組む中高一貫校、6年かけて探す「将来の夢」…海外研修旅行や大学教授による講義も
「自分プロジェクト」。千葉県柏市にある麗澤(れいたく)中学・高校では、全校生徒がそんな名前の活動に取り組んでいます。「自分」と書いて「ゆめ」と読み、文字通り、自分の将来の夢を6年間かけて探す、息の長い取り組みです。生徒たちはどんなことを学び、得ていくのか、取材してきました! 【写真】京大が「アメとムチ」で返上したい「汚名」
「自分プロジェクト」
「自分プロジェクト」とは、総合・探究学習と、職業について考えるキャリア教育、進路指導を合わせた、この学校だけの特別なプログラムです。2002年にスタートしました。
プロジェクトは、中学1年~高校3年の6年間続きます。「自分探し」の第一歩として、中学生ではまず、森林や水源などの観察、日本の歴史を学ぶことに力を入れ、自分自身の育つ環境や社会にとことん向き合います。その後、イギリスでの研修旅行(中3)、大学教授による出張講義(高2)などを通じて、何に関心があるのか、将来何をしたいかを絞り込み、進路を決めていくのです。
「自分自身が自然や社会の中で、どのように育まれてきたのかを知った上で、具体的な進路や自己実現の方法を考えてもらいたい」。担当の瀧村尚也先生は、プロジェクトの狙いをそう話します。
プロジェクトでは、生徒それぞれが主体的に取り組むことで、自分なりの気づきを得ています。
高校2年の女子生徒(16)は、昨年参加した計11日間のイギリス研修旅行で、現地の中学生やホストファミリーに、日本文化を伝える経験をしました。正月遊びの「福笑い」を紹介しようとしましたが、英語でうまく説明できず、悪戦苦闘。ジェスチャーも交えながら説明し、最後は何とかみんなで楽しむことができたそうです。
この女子生徒は「自分の考えを相手に伝えることへの関心が高まりました。視野が広がり、将来、教師になりたいと思うきっかけにもなりました」と語ります。
プロジェクトではこうした体験型の活動が多く、生徒たちは教室の中だけでは学べない、多様な経験をしています。生徒たちは6年間かけて、夢の「種」を見つけ、大切に育てているようです。