「愛子天皇」実現に向けて安倍政権が極秘裏に動いていた説も…背景にあった「警察官僚たちの危惧」
学習院大学を卒業された後は、日本赤十字社に就職された愛子さま。連日ご勤務に励まれる一方で、2024年は初めての単独地方ご公務、宮中午餐へのご出席など、華々しいご活躍を続けられている。愛子さまのご奮闘には、国民の好感を呼び、大きなうねりとなっている。 【写真あり】2018年8月、皇位継承式典事務局の看板を掛ける安倍首相と菅官房長官 「2024年4月に共同通信が実施した世論調査では、女性天皇を容認するという人の割合が90%に上りました。翌5月に毎日新聞が報じた世論調査の結果でも、容認するという意見が81%に達しています。愛子さまの熱心なご姿勢やそのご活躍が、皇室と国民との接点を増やし、親しみを感じる人が増えてきているということなのでしょう」(皇室担当記者) そんななか、『週刊文春』が12月26日発売号で「“愛子天皇”極秘計画」という見出しの記事を報じた。 「上皇さまが生前退位のご意向を表明した2016年、当時政権を担っていた安倍晋三首相が愛子さまのご即位についてさまざまな可能性を検討していた、という内容です」(前出・皇室担当記者) 安倍氏はその後2020年に退陣、最大派閥の領袖としてその後の政権にも影響力を行使していたが、2022年7月に銃撃され死去。だが半年ほどたった後、生前の安倍氏と近かったジャーナリストの岩田明子氏が『文藝春秋』で、「安倍晋三秘録(3)『愛子天皇』を認めていた」と明かし、波紋が広がったことがある。安倍政権当時の官邸の内情に詳しい自民党関係者はこう明かす。 「岩田氏は元NHKで、政治部記者のなかでもっとも安倍元総理に食い込んでいたと評価されていたこともあって、内容に動揺した保守派の政治家や識者も少なくありませんでした。 安倍さんは“保守・タカ派”のイメージでキャリアを歩んできた政治家ですが、リアリストでもあったとよく言われていました。皇族が減少している現状では、“男系男子”に限った皇位継承にリスクがあることを認識していたのでしょう」 安倍政権下で極秘裏に進められていた動きについて、事情を知る警察庁関係者は紀子さまと悠仁さまが乗るお車に起きた“追突事故”が背景の一つにあると指摘する。 「上皇さまが退位されるお気持ちを表明されてから3カ月後の2016年11月、神奈川県内の中央自動車道下り線で、紀子さまと悠仁さまが乗るお車が、渋滞の最後尾の車に追突してしまった事故がありました。幸いけが人はいなかったのですが、政府内に衝撃が走ったのです。 安倍政権では、政府内で危機管理の重要な部分を担っていた杉田和博内閣官房副長官や北村滋内閣情報官など、警察庁出身者が経産省出身者と並び、政策決定の重要なフローに関わっていました。事故の後、杉田さんは『いくら警備が盤石でも、万が一のことが起きたら誰が責任を取るのか』と、女性宮家の創設や、女性天皇を可能にする方策を検討すべきであると主張したのです。 天皇陛下、秋篠宮さまよりも若い世代の皇位継承資格者は悠仁さまのみです。将来、ご即位できる皇族がお一人しかいなくなる可能性があるという状況は、“皇室の存続にとってリスクが高すぎる”と考えるのは危機管理の点からみれば自然な発想で、杉田さんを筆頭に、官邸の警察出身者たちは危惧していたと聞いています」 しかし、警察出身者たちのそうした危惧をよそに、議論は進むことはなかった。 「のちに総理となる菅義偉官房長官、そして安倍さんの最側近で“影の総理”とまで言われた今井直哉総理秘書官が反対し、そこから先の動きはしぼんでいきます。このころ、いわゆる“解散風”が吹いていました。 女性天皇や女系天皇、女性宮家の創設などに向けた議論を進めようものなら、安倍政権の主要な支持層である保守派が猛烈に反発する……こうした危険性に対して2人が懸念を示したからだとも聞いています。結局、皇位継承のあり方や皇族数の確保といった問題の解決に向けた議論は先送りにされ、現在に至っています」(前出・自民党関係者) いまも“皇室の危機”の度合いは深まる一方だ。一日も早い国会での議論の進展を願うばかりだ。