ゲームサイト編集長が語る 2023年ヒット作の共通点とゲーム作りの傾向
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ハリー・ポッターの世界を舞台にした『ホグワーツ・レガシー』やスーパーマリオシリーズの最新作『スーパーマリオブラザーズ ワンダー』など、多くの話題作が発表された2023年。ヒット作に何か共通点などはあるのか、ゲーム情報総合サイト『ファミ通.com』編集長の三代川 正さんに聞きました。 【画像】『地球の歩き方』が物件を監修した“桃鉄ワールド”
■人気シリーズの続編が多く発表された2023年
『ファイナルファンタジーXVI』や『ストリートファイター6』など、2023年は人気シリーズの最新作が多く発売されました。その理由について三代川さんは、ゲーム機の成熟化がひとつの要因だと話します。 三代川:ゲーム機がNintendo Switchだと(発売から)6年たっているんですけど、PS5で言えば4年目になって、ゲーム機の発売当初って、まだゲームの開発がこなれていなかったり、そこまで普及が広まっていないので、新しいソフトを投入しづらいというビジネス的な側面もあって、ゲーム機の普及台数が増えてから(ソフトを)出したいというメーカーの思惑があるので、そこはやはり収穫期になったというところはあると思います。 あとは、今、ゲーム開発は非常に時間がかかるようになっていて、今までだったら1~2年、もしくは2~3年で1本そのシリーズの新作を出せる状況だったのが、ゲームの仕込みから考えると5~6年で1本という時代になっている。なので、5~6年前から企画を始めたものがやっと今結びついたのが、ちょうどゲーム機の収穫期も含めて、「ここだ」って狙っていた時期が重なったというのがあると思います。
■予想以上の完成度だった『ゼルダの伝説』
そんな中、三代川さんが今年最もヒットした作品だと挙げたのは人気シリーズの最新作『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』です。今年5月に発売された今作は、世界累計販売本数が、発売から3日間で1000万本(うち国内販売本数224万本)を突破し、“最も早く売れた任天堂ゲーム”としてギネス世界記録に認定されるなど話題となりました。 三代川:とにかく物量がすごい。本当に自由。元々、前作である『ブレス オブ ザ ワイルド』も広大な世界で自由にいろんなものができる。で、自分の好きなところに行って、自分の好きな順番でクリアできるというものなんですけれども、それが『ティアーズ オブ ザ キングダム』は今回、空が舞台という触れ込みで発売前は言われていたんですよね。いざ発売してみたら、実は地下がありますと。その地上と空だけじゃなくて、さらに地下もあって、ほぼ3つの世界があるような膨大な世界が冒険できるというふうになっていました。 (前作の)『ブレス オブ ザ ワイルド』があまりにも完成度が高くて、ゲーム・オブ・ザ・イヤーなどいろんなところでアワードを受賞して、すごく評判が高かったんですね。「その続編を作るっていうのはどうなんだ」って、ファンの中ではちょっと心配する声すらあったんですけど、いざ発売されてみたら、「心配してすみませんでした」みたいな。予想以上のものが生まれてきたという、本当にみんなびっくりする完成度だったと思います。