大谷翔平「6億円記念球」日本人社長2人が明かした「分刻みの入札デッドヒート」《終了2分前、「もしかしたら買えるかも」と思ったその時…》
終了間際、価格が大きく跳ね上がり…
しばらく値動きはなかったが、価格が大きく跳ね上がったのは、入札期限の終了間際だった。田中社長が悔しさをにじませる。 「終了予定時刻の2分前である10時58分まで、価格は210万ドル(約3億2000万円)で、私が最高落札者でした。『もしかしたらこのまま買えるかも』と思いましたが……」 K2の後藤社長も語る。 「終了直前は210万ドルの値がついていました。最高値が更新されると入札期限が30分延長されるシステムで、私達は220万ドル(約3億4000万円)を差し込もうと、代行業者と電話でやりとりを始めていたところだった」 ところが――。後藤社長が手続きをしている間に、みるみる値が上がっていった。その額は250万ドル(約3億8000万円)、そして300万ドル(約4億6000万円)へ……。 「あまりに展開が早すぎて、正直、我々が代理入札で差し込んだ金額が反映されていたのかも確認できないほど。以降はただただ、値動きを見守ることしかできませんでした」(同前) 多くの参加者が脱落を重ねる中で、最後までデッドヒートを繰り広げたのが田中社長だった。 「こちらが310万ドル(約4億8000万円)で再入札した時に、相手の反応速度の印象から、『これで終わりかな?』と思いました。しかしそこから相手のスピードが変わった。入れても入れても再入札される……これが3回繰り返されました。最終的に予算満額の350万ドル(約5億3000万円)で入札するも、これも再入札され、ついにギブアップしました」 こうした延長戦は2時間半に及び、最終的に落札したのは台湾企業「優式資本(UCキャピタル)」。入札価格360万ドル(手数料を含めて439万2000ドル=約6億6700万円)で、記念球を手にしたのだった。ゴールディン社はXに〈新記録 あらゆるスポーツにおけるあらゆるボールの中で最高額〉と投稿。大谷がまたもや記録を塗り替えたのだった。