<春再び・センバツ2021東海大相模>応援する仲間たち/下 過去の音源でエール 吹奏楽部「リモート」断念 /神奈川
「リモートでの応援、演奏もできなくなった」。センバツ開幕を目前に控えた17日、東海大相模2年で吹奏楽部部長の山口あかねさん(17)が80人の部員を前にして伝えた。リモート応援は、スタンドでの演奏がかなわない部員たちが楽しみにしていた。ドラムメジャーを務める2年の大西莉那さん(17)は、その後にあった練習の演奏が「がっかりしているのが音からも伝わってくるほどだった」と振り返る。 今回のセンバツでは、新型コロナウイルスの感染防止でアルプススタンドでのブラスバンドの演奏が禁止された。2月下旬にその方針が示されると、山口さんは「少し期待していた部分があったので、がっかりした」という。 それでも、野球部が出場した2020年夏のセンバツ交流試合で実現した校内からの「リモート応援」を今回も実施しよう、甲子園に向けて応援を届けようと、部員たちは奮起した。新型コロナ下で飛沫(ひまつ)を防ぐため、切り込みを入れたマスクにマウスピースを通したり、マスクでの演奏が難しいフルートなどの場合はフェースシールドを着用したりして練習を重ねてきた。 リモート応援の演奏を断念することになったのは、新型コロナの感染への不安があるからだ。3月11日にあった応援を担当する顧問らを集めた説明会で主催者側から懸念が示され、同校でも自粛することが決まった。大西さんは「応援委員会はアルプススタンドに行くので思いを託す」と話し、「次の舞台に向けて頑張る」と決意を新たにしていた。 スタンドでは、過去に吹奏楽部が録音した音源が流れることが決まっている。山口さんは「直接応援できないのは残念だが、録音で私たちのいつもの応援の音楽が流れるので、それも感じて頑張ってほしい」とエールを送る。【宮島麻実】