プレミアリーグ、チェルシーの姉妹会社へのホテル売却を承認…物議醸す手法もPSR違反回避に有効な一手に
プレミアリーグは、チェルシーが姉妹会社に2つのホテルを7650万ポンド(約144億円)で売却することを承認したようだ。『ESPN』が報じている。 今年4月に発表された2022-23年度のチェルシーの決算書では、クラブが8990万ポンド(約169億円)の損失を出したことが明らかになったが、本拠地スタンフォード・ブリッジに隣接する『ミレニアム&コプソーン・ホテルズ』を売却していなければ、その数字は1億6640万ポンド(約313億円)になっていたという。 この取引により、2つのホテルの所有権は『チェルシーFCホールディングス』から『ブルーコ22プロパティーズ社』に移った。なお、両社はチェルシーの持ち株会社『ブルーコ22』の子会社である。 そして、『ESPN』が関係者から得た情報によると、この取引は、プレミアリーグの利益と持続可能性に関する規則(PSR)の遵守においてクラブに有利に働くものになるという。 欧州サッカー連盟(UEFA)とイングランド・フットボールリーグ(EFL)はこういった形での売却を禁止しているが、プレミアリーグは、リーグの関連当事者取引規則に基づいて「公正な市場価値」を評価することを条件に、売却を許可している。 このプロセスはすでに完了しており、ホテルが別の入札者に売却された場合の評価額の見積もりに関して、取引は許容範囲内であることが判明したと関係者は明らかにしている。 なお、プレミアリーグのライバルクラブの一部は売却の正当性が懐疑的であり、問題が起これば、クラブの取引やPSR規則の遵守能力に新たな疑問が生じる可能性があるとの否定的な反応を示していたという。 PSRにおいて、プレミアリーグのクラブは3年間で最大1億500万ポンド(約198億円)の損失を計上することが認められており、インフラ支出や女子サッカーへの投資など、特定の費用は控除できる。 チェルシーの過半数株主である『クリアレイク・キャピタル』に近い情報筋は、同クラブは過去のシーズンと2024-25会計期間の両方で規則を遵守することに自信を持っているという。 プレミアリーグは6月の年次総会で姉妹会社へのこの類の取引を禁止するかどうかを投票したが、この提案を支持したのは11クラブだけだったという。そして、規則を変更するには最低14票が必要だったことで、この提案は否決されたとのことだ。
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