スコットランドリーグ打ち切り決定で食野亮太郎所属のハーツが最下位、2部降格に異議を表明…「法廷闘争も辞さぬ」
サッカーのスコットランド・プレミアシップは18日、新型コロナウイルス感染拡大の影響で3月から中断していた今季のリーグ戦を打ち切ることを発表した。12クラブが協議し打ち切りで合意、理事会が決定を下した。なお順位はリーグ戦の消化試合数に差があるため、3月13日までに行われた1試合平均の勝ち点で決定し、セルティックが9連覇を達成、通算51度目の頂点に輝いた。今後、リーグのカップ戦は7月中旬に始まる予定で、来季の1~4部リーグは8月1日開幕を予定している。 リーグを統括しているスコティッシュ・プロフェッショナル・フットボールリーグ(SPFL)は、4月にスコットランド・プレミアシップを含む1部から4部に所属する42クラブによるシーズン再開か、打ち切りかの投票を行ったが、81%のクラブが打ち切りを支持していた。 UEFAは、各国協会に再開か、打ち切りかの計画を5月25日までに明らかにすることを通達。ベルギー、オランダ、フランスは、早々にリーグ戦の打ち切りを発表していたが、16日にはドイツ・ブンデスリーガが再開、“お隣”のイングランド・プレミアリーグも6月中旬再開を目指している中、スコットランド・プレミアシップは、打ち切りを決断した。スカイスポーツによるとSPFLは経営難のクラブを救済するために約700万ポンド(約9億1600万円)の予算を用意したという。 リーグ戦の打ち切りで新たな問題として浮上しているのが、Uー23日本代表MF食野亮太郎(21)のレンタル移籍先であるハーツの処遇だ。8試合を残して最下位の12位が確定して2部降格が決まったが、平均の勝ち点で決められた順位、2部降格を不服として異議を訴え、法廷闘争も辞さない姿勢を明らかにしたのだ。 BBCによると、ハーツはプレミアシップの12チームを拡大しリーグを再編する働きかけを行っており、ハーツのチェアマンが「ディビジョン再構築委員会」の共同委員長を務めていたが、その最中に新型コロナの影響で途中打ち切りという不測の事態が起きた。 ハーツは18日、「どのクラブも新型コロナウイルスのパンデミックの最中に不公平なペナルティーを科されるべきではない。我々は、今後も法的な助言を受け、不当な処分(最下位確定による2部降格)に抵抗し続けていく。実用的な解決案を数日以内に提出する」と表明。2部降格の無効を訴えるため法廷闘争も辞さないチーム方針を明らかにした。 BBCは、「ハーツは法廷闘争を探る方がスコットランド・プレミアシップからの『不公平な降格』よりも犠牲が少ないだろうと考えている」と伝えている。 今後、SPFLがハーツの異議にどう対応していくのか。新型コロナ禍は、とんでもない騒動を生み出すことになった。