4000人が“大異動”、トランプ政権で注目の政府幹部人事「政治任用」とは…マスク氏に加え薬物使用疑惑の人物まで
■ バイデン大統領は女性や黒人を多数指名 米国で政治任用されるのは、どういった人たちでしょうか。 主には民間のシンクタンクや大学の研究者や経済人などそれぞれの分野に精通した専門家が指名されます。もちろん、大統領への忠誠心は不可欠であり、大統領選を仕切った陣営の幹部が任用されることも珍しくありません。政治任用される人のうち、大使や閣僚ら約1200人は連邦議会(上院)の承認が必要です。 政治任用された人々の顔ぶれを見ると、その政権の考え方や政策の具体的な方向性をある程度、見極めることができます。バイデン大統領は、副大統領に「女性・黒人・アジア系」のカマラ・ハリス氏、財務長官に著名な経済学者のジャネット・イエレン氏を任命するなど閣僚に女性やマイノリティーを数多く起用。その他のポストでも女性や黒人を積極的に任用したと評価されました。 政党間の融和を図るため、あえて対立する政党と関係の深い人物を登用するケースもあるようです。また、ときには有名人を起用して政権の支持率向上を狙ったり、選挙戦で功績のあった人を任用したりして物議を醸すこともあります。 その一例として知られているのは、オバマ政権の2期目に駐日大使として起用されたキャロライン・ケネディ氏。民主党内で今も強い影響力を持つ名門ケネディ家の一員であり、オバマ氏支持を強く打ち出して再選に大きく寄与したとされました。 米国では大使の7割が外交官、残り3割は政治任用による起用ですが、キャロライン氏の駐日大使については米国内で「露骨な論功行賞だ」「東アジアの緊張が高まっているときに外交のアマチュアを指名していいのか」といった議論が巻き起こりました。 新たに誰を任用するかだけでなく、旧政権の誰を解任するかも大きな注目点です。今回当選したトランプ氏の政権移行チームは解任リストを着々と整えていると報道されました。その中には、従来は政権交代が起きても解任されることがほとんどなかった米軍の高級将校も含まれているとされ、大きなニュースになっています。