「裸眼でも圧倒的没入感!」ラスベガスの新名所“巨大半球”Sphere体験レポート
超話題のラスベガスの新名所、Sphereを体験してきた。旧サンズコンベンションセンターの隣に聳え立つ、巨大半球。遠くからでも余りに大きく見える。2023年9月にオープンした、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデン社(以下、MSG)が運営するSphereは、その名の通り、“球形” の大型アリーナだ。外壁は面積約5.4万m2の表面は、すべてLEDパネルで覆われ、1日中、広告や案内を流している。夜の眩しいこと。内側は高さ約110m× 幅約157m。16Kの解像度の全面LEDスクリーンが設置。シートは17500の固定席と2500の折り畳み式席。オーディオは157000の指向性スピーカーを会場に散りばめ、ビーム・フォーミング(音を束状に絞り、聴取位置に投射)で個々の席に届ける。 【動画】ラスベガスの新名所“巨大半球”Sphereを体験 ネットで夜7時のチケットを買って(約70ドル)、少し前に、スフィア2階の入り口に到着すると、黒山のひとだかり。 上映されたコンテンツは、『POSTCARD FROM EARTH』(50分)。宇宙、地球、海、山、峡谷、森、都会、雑踏、砂漠、平原、大草原、ツンドラ、水中、コンサートホール……と、地球のあらゆるところの生命の営みのミクロとマクロを、ものすごい解像感(18Kの解像度で撮影)と、全周のウルトラ大画面で体験する半球大画面巨編だ。30メートル大のカマキリも登場する。 一言でいうと、ヘッド・マウント・ディスプレイ無しの裸眼のVRだ。上は天井まで270度をLEDスクリーンで覆われている。毎秒120フレームなので、動きのブレは少ない。何しろ、見切れないのである。前の映像を見ていても同時に左、右、上でも映像が進行しているのだが、それは視野から外れ、見えない。ハイビジョンの開発物語をNHK技研に訊いたことがあるが、「画面がすべて見切れるのは臨場感につながりません。大きなスクリーンで、全体が視野からはみ出すことが、没入感になるのです」と言われたことを思いだした。 臨場感演出は、画面の大きさだけでなく、風は吹くは、匂いはするわ、倚子は振動するわ、ライトは点滅するわ、霧はでるわ、香りがするわ……視覚、聴覚、嗅覚、触覚が総動員だ。『POSTCARD FROM EARTH』は、人のほとんどすべての感覚で感じさせるコンテンツであった。次世代のイマーシブ映像だ。