VW エンジン車とEVのデザイン統一へ 一体感を演出、「IDゴルフ」も登場か
「ID2. all」コンセプトからデザイン収束か
フォルクスワーゲンは今後、エンジン車と電気自動車(EV)のスタイリングを統一し、ブランドとしての一体感を強める方針だ。 【写真】これが次世代「ゴルフEV」のデザイン?【フォルクスワーゲンID2. allコンセプトを写真で見る】 (17枚) また、エンジンのプラットフォームと技術への投資を継続し、その期限は設けない。同社の新しい販売&マーケティング責任者であるマーティン・サンダー氏が明らかにした。 14日にフランスで開幕した『パリ・モーターショー2024』でAUTOCARのインタビューに応じたサンダー氏は、EVの需要が減速しているにもかかわらず、「未来はEV」だと確信していると述べた。 同氏によると、フォルクスワーゲンは「新型車に何十億ドルも投資し、新プラットフォームの完全なラインナップをグローバルに提供することで、自分たちの役割をきちんと果たしてきた」と考えているという。 そのために、「政治家がそのことを認識し、これが未来であるという事実に明確にコミットし、補助金という形で消費者からすべての疑念を取り除くことを望みます」と述べた。 しかし、サンダー氏は、「エンジン車の市場は世界的にまだ大きいため、今日エンジン開発に終止符を打つことはできません」と付け加えた。 「もちろん、遅かれ早かれ、お客様の需要によって終了時期が決まるでしょう。エンジン車を求めるお客様がいる限り、我々はエンジン車を提供します」 「いずれ終止符が打たれるでしょうが、特に世界的観点から、それがいつになるかを言うのは時期尚早だと思います」 それがエンジン車とEVのスタイリングの統一につながるのかという質問に対し、サンダー氏は「そうです」と答えた。 その最初の1台は、ゴルフと同クラスの「ID2. all」コンセプトの市販バージョンと見込まれる。コンセプトのスタイリングは従来のIDシリーズに比べて、エンジン車に近いものとなっている。 これにより、2種類のゴルフが登場する可能性が高まった。一方は伝統的なプラットフォームで作られたエンジン車で、「ゴルフ」と呼ばれる。もう一方はEV専用プラットフォームで作られたEVで、「IDゴルフ」と呼ばれることになる。 「フォルクスワーゲンのデザイン言語を明確にすることは本当に重要だと思います。今後、フォルクスワーゲン車のデザインはより明確になっていくでしょう」とサンダー氏は語った。 しかし、EVのデザインや名称がエンジン車のものと収束していくとしても、「ID」のバッジを完全に廃止する計画はないようだ。 「IDをEVのトップブランドとして築き上げたい」とサンダー氏は語り、IDは「それ自体が本当に強力なブランドになりつつある」と付け加えた。 しかし同時に、「ゴルフは欧州だけでなく、世界的にも強力なブランドです」とも語った。 「ゴルフを復活させる、あるいはゴルフをEVの世界にも導入する方法を見つけなければならないのは明らかだと思います。GTIも同じです」 サンダー氏はまた、フォルクスワーゲンが最近中国で人気が急上昇しているレンジエクステンダーEV(EREV)のハイブリッド技術を調査中であることも明らかにした。
マーク・ティショー(執筆) 林汰久也(翻訳)