「出社回帰」の波に乗れ!オフィス家具メーカー、拡大する「改装需要」狙う
イトーキ 本社ショールーム刷新 社員運営カフェで交流促進
イトーキは本社兼ショールームの1フロアを改装し、「イトーキ デザインハウス」に改名した。次世代を見据えてリブランドし「明日の『働く』をデザインする場所という思いを込めた」(湊宏司社長)という。 本社の11階から13階の全3フロアを2022年から順次リニューアルしてきた。コーポレート・営業・空間デザイン部門など、改装前の1・4倍以上にあたる社員1100人強が在籍する。24年に改装した11階には飲食しながらコミュニケーションを図る場所や、社員が運営するカフェ仕様のカウンターを設けた。 働き方の多様化が進み在宅勤務が浸透した一方、「経営陣は社員に出社してほしいと考えるようになった」(湊社長)というギャップもある。社員が行きたくなるようなオフィスに変革するニーズが高まりつつある。ファシリティーはコストから人的資本投資に移行しており「オフィス改装が企業の採用活動に効く」(同)と捉え、幅広く需要を取り込む方針だ。 オフィス空間の需要の変化に対応しようと、同社は多様な形状や色、素材などが特徴の大型テーブル「セントラ」を12月に発売。社内では、デザインハウス内で共同で働く「コワーク」エリアで活用し、形状を生かして個人とグループで使い方を変化させている。 ビジネス環境は常に変化し、「オフィスは一度作ったら終わりではない。働き方やレイアウトは高い頻度で変えていかなければならない」(同)。機動性やアジリティー(機敏性)を重視し、企業ごとに柔軟に対応する必要がありそうだ。