金メダルを胸にかけた（写真中央）池選手（撮影：越智貴雄）

パリ・パラリンピック第6日の2日、車いすラグビー決勝で日本が米国を48ー41で破り、悲願の金メダルを獲得した。試合後、キャプテンの池透暢（日興アセットマネジメント）がインタビューで話した内容は以下の通り。 アスリートたちの輝きを捉えたパラスポーツ写真

■池透暢選手（キャプテン）コメント

勝利して喜ぶ池選手（撮影：越智貴雄）

──最後の瞬間は？ ラグビーに関わったすべての人に、夢がこの瞬間に叶ったという感情と、それを受け止める準備ができてなかったという。できていないわけではないけど、爆発するのを押さえながらも、ずっと押さえてたので。リードしていても、それを解放する瞬間がちょっと遅れてきた。そんな感情でした。 ──試合終了後の円陣で話したことは。 「東京大会銅メダル取った時に、『僕たちは銅メダルだったけど、相手を称えて、また強くなって金メダル取れるチームになろう』と言ったことを、今日、みんなで達成したよね。でも、ここに来れなかった選手も、ここに来れなかったスタッフも、他の人にもたくさん支えられた。その感謝を、（日本に）帰ってからみんなに返していこう」と誓いました。 ──金メダルを受け取った後に、右手を掲げました。 天国にいる友人たちに掲げたものです。 ──何か語りかけましたか？ 「ありがとう」です。たくさん奇跡のような瞬間を僕にくれたので、それはもしかしたら、（天国の友人たちが）背中を押してくれたのかなと。そのことをこの大会ですごく感じました。奇跡が起きる、起こせると思いながら、信じてやってました。

決勝戦でボールを運ぶ池選手（撮影：越智貴雄）

──第1ピリオドで3点リードされました。 5秒間ぐらいは「またか」と。 ──第1ピリオドが終わった後ですか？ いや、違います。（米国は）やっぱり強いし、またかと思ったんですけど、1回立ち返って、「自分たちのラグビーをすれば絶対に勝てる。僕たちの方が強い」と、それを思って立ち戻りました。 ──その言葉通り、自分たちのラグビーができていました。 コートに立てなかった選手の分まで、自分は今日をベストゲームにしたいと、みんなに伝えました。みんなもその想いでした。僕もベストパフォーマンスをこの決勝の舞台で出したいなと。 この大会に入ってから、決勝の今日が一番体が軽くて動いて、疲労なんかまったくない状態になっていました。いろんなものが僕の体の中のエネルギーになっていました。メッセージもそうだし、ケアもそうだし。そういったサポートがあって、本最後まで走り切れたんだなと。