ラグビー日本代表が格上フィジー代表に挑む。「今を大切にしないと、その先はない」(立川理道キャプテン)
リザーブは1人だけの変更。準決勝で交代出場からトライをあげた高橋汰地が怪我のために欠場し、コベルコ神戸スティーラーズの濱野隼大が23番に入った。濱野は出場すればテストマッチデビュー。兵庫県の三田ラグビースクールで4歳からラグビーをはじめ、中学の頃にニュージーランド留学。ロトルアボーイズ高校卒業後にスティーラーズ入りした。ついに夢見ていた日本代表デビューのチャンスをつかんだわけだ。ジョーンズHCはそのパワフルな走りに期待する。キャプテンを務めるSO立川理道は通算60キャップ到達となるが、「正直、あまり気にしていません。このチームで勝つことが大事です」と淡々と語った。フィジーに対しても、FBの李と連動して相手のいないスペースにボールを運びたい。
フィジー代表は準決勝から先発で1名の変更。WTBエペリ・モモから万能BKのイライサ・ドロアセセに代わるのみ。フィジー代表のミック・バーンHCは、かつて日本代表のアシスタントコーチを務めた。「私がコーチをしていた時よりも日本代表はさらに強くなっている。ボールを簡単に渡さないようにしたい」。
世界ランキングは日本代表が13位で格下だが、ジョーンズHCは「我々から戦いを挑む。それに尽きる」と、常に先に仕掛けていくことが勝利のキーポイントだと語った。「ボールを持っているときは、どんどんアタックしていきたい。フィジーはビッグヒットが好きなチームです。フィジーのディフェンスに対してプレッシャーをかけるアタックを仕掛けたい。ディフェンスでもプレッシャーをかけ、フィジカリティ、スピードで我々のラグビーが通用するところを見せたい」。
立川理道キャプテンは言った。「2027年のラグビーワールドカップに向かってチームを作っている段階ですが、今を大切にしないと、その先はないと思います」。与えられた環境の中、このメンバーでベストを尽くす。準決勝よりも成長した姿を見せる。フォーカスするのは優勝カップを掲げること、それだけだ。
村上 晃一