ナッツリターン問題で批判集まる「韓国財閥」の強さと弱さ 慶應義塾大学教授・柳町功
反面、服役や病気治療など様々な理由からオーナー経営者が本来の機能が発揮できない場合、戦略的意思決定のストップは経営の空白を生み、財閥の持つ強みが一転して弱みとなっている。オーナー経営者が能力的に、また倫理的・道徳的に問題がある場合、言うまでもなく状況は極めて深刻である。 こうした見方は「オーナーリスク」と整理できるが、能力的・倫理的に優秀なオーナー経営者を育成する仕組みが作られているか、またグループ会長を補佐し、時には暴走を牽制し経営判断のミスを未然に防ぐ能力を持った専門経営者組織が作られているか―――、財閥における一流と二流以下の分岐点はこういったところに求められよう。 (※)…左右に吉が並ぶ「吉吉」