厳しい修業と”以心伝心”で知られる禅宗の仏像はどんな姿をしているのか
京都展でしかみられない仏像
この展覧会は秋に東京国立博物館にも巡回しますが、京都・円福寺の達磨坐像(写真)、広島・佛通寺の愚中周及坐像、京都・等持院の足利義満坐像、宮城・瑞巌寺の伊達政宗倚像(写真)などは京都国立博物館にしか出陳されません。
達磨像は中世にまでさかのぼる遺例は少ないのですが、円福寺像は鎌倉時代にまでさかのぼると考えられるものです。鋭い眼光の表現とともに、衣に隠れた耳まできちんと彫りあらわされていることに着目してください。また、伊達政宗像は木で作った像の上に、別につくられた甲冑をまとっています。なかなか関西にまで来ることは少ない像なので、ぜひともこの機会にご覧ください。 (京都国立博物館・連携協力室長 淺湫毅<あさぬまたけし>)