年商40億超え 地方のお菓子を世界へ…サブスクで復興支援
今回のテーマは、「世界へ届け!ニッポンのお菓子」。 今、日本のお菓子が世界中で人気を集めている。地方の中小メーカーのお菓子を世界へ届けることで復興を後押しする、スタートアップ企業に密着した。 【動画】年商40億超え 地方のお菓子を世界へ…サブスクで復興支援
ニッポンのお菓子を世界180の国と地域へ届ける会社
食い倒れの街・大阪に、知る人ぞ知る菓子メーカー「みどり製菓」(大阪市 東住吉区)がある。主力商品は、砂糖と水飴を寒天で煮詰めたゼリー菓子だ。 正月用のダルマや富士山など、季節に合わせたさまざまな形のゼリー菓子を、全て手作業で製造している。 この「みどり製菓」のゼリー菓子が海外で人気を集め、工場に外国人観光客が訪ねてくることも。翠大輔専務は、「ICHIGO(イチゴ)さんが、海外に商品を紹介してくれた。感謝でいっぱい」と話す。
「ICHIGO(イチゴ)」(東京・港区)は2015年に創業したスタートアップ企業。社員78人のうち約7割が外国人。社長の近本あゆみさんが世界で大ヒットさせたのが、日本のお菓子を箱に詰め込んで届けるサービスだ。
箱には15~20個のお菓子を入れる。外国人が「日本」を連想しやすい歌舞伎揚の菓子や海外では手に入らない日本限定の味の「キットカット」も人気だという。 料金は、航空便の送料込みで1箱約50ドル(約7500円)。毎月、定額料金の「サブスク」で、世界180の国と地域にお菓子箱を届け、年商は40億円を超えている。
近本さんが今、力を入れているのが、和菓子を中心に集めた「サクラコ」シリーズ。沖縄や広島など、その地域で作られているお菓子を詰めたボックスで、人材や資金力のない地方の菓子メーカーに代わって、海外への販路を開拓する狙いもある。 近本さんは、早稲田大学を卒業後、「リクルート」に就職。28歳で退職し、日本のお菓子を世界に広めたいと「イチゴ」を立ち上げた。近本さんは「日本のメーカーは商品展開のスピードが早く、いろいろなバリエーションでやっているので、サブスクにすれば、長く日本の食文化として楽しんでもらえる」と話す。