大川原化工機事件、当時の捜査員らを不起訴 東京地検「嫌疑不十分」
軍事転用可能な機器を無許可で輸出したとして逮捕・起訴され、後に起訴が取り消された機械メーカー「大川原化工機」(横浜市)への捜査をめぐり、公用文書毀棄(きき)と虚偽有印公文書作成・同行使の容疑で書類送検された当時の警視庁公安部の捜査員3人について、東京地検は8日、嫌疑不十分で不起訴処分とし発表した。公文書の破棄や虚偽報告書の作成について故意や共謀の認定に疑義がある、と判断したという。 同社への捜査については、東京地裁が2023年12月、都と国に計約1億6千万円の支払いを命じ、双方が控訴した。地裁は判決で、20年3月に捜査員が同社元役員の「弁解録取書」を作成する際、元役員の指摘に沿った修正をしたように装い、元役員に署名させた行為を違法と認定した。 捜査関係者によると、送検容疑は、捜査員が弁解録取書を破棄したのに「誤って裁断した」とする虚偽の報告書を作った▽機器が規制対象にあたるかを確かめる実験の際に捜査に不利になるデータを隠し虚偽の報告書を作った――など。同社側が3人を刑事告発していた。
朝日新聞社