個人情報、公開か削除か…マイナカード偽造被害、悩む地方議員ら
東京都議ら地方議員のマイナンバーカードを偽造して銀行口座を不正に開設したり、スマートフォンを詐取したりしたとして、愛知県警などは20日、名古屋市東区白壁3の自営業、松尾裕也被告(40)=詐欺罪などで起訴=を詐欺容疑などで追送検した。 【写真】マイナ保険証の読み取り器 本人確認の方法は 事件では、ホームページなどで公開されている電話番号や住所などが悪用された。地域の「相談役」として、いつでも連絡を受けられるよう個人情報を公開している議員は多いが、事件を受けて議員活動にも支障が出ている。公開か、非公開か。議員らは頭を悩ませている。 岐阜県多治見市の獅子野真人市議(34)は今年5月、マイナカードを偽造され、中古品買取店から携帯電話の売却代金を詐取する際に身分証として使われる被害に遭った。 市議会のホームページに公開していた携帯電話番号や住所を削除することも考えたが、「市民から相談の電話が寄せられるし、自宅には会合などの案内も届く」と削除の難しさを打ち明ける。一方で不安も拭えず、「今後、議会でも検討していきたい」と話す。 千葉県船橋市の大沢寛行市議(44)も昨年12月、偽造マイナカードで携帯電話を勝手に機種変更され、手元の電話が使えなくなるなどの被害に遭った。市議会や自身のホームページから携帯電話番号を削除したが、市民と連絡が取りづらくなり、活動に支障が出ているという。「セキュリティーが不十分」とし、マイナカードの制度改善などを求めている。【田中理知】