高橋大輔が振り返る初の「氷艶」ラブシーン「今の自分だから表現できること」
アイスダンスや「滑走屋」をやったからこその「氷艶」
「滑走屋」でフルプロデュースを経験したことで、高橋さん自身、今回の「氷艶」は前回と違った目で見られるのではないだろうか。また2019年の第2作が終わった後にアイスダンスに転向したので、今回はその経験も生きてくる。 「いや、僕はまだ演出したといっても、やってみて学んでみたという段階ですから(笑)。でも、勉強したい気持ちはあるので、そういう点で前回とは視点が変わってくるかもしれません。 アイスダンスは前回の公演が終わった後から始め、必死で取り組み、選手としては3シーズンを過ごしました。テクニックの面ではまだまだわかっていないことだらけです。でも、挑戦した『強味』はある。相手と組んで滑ることを知っていることは、今は自分の強みであり、自信を持ってやれるので、やはりその好影響はあるのではないでしょうか。今作は『氷艶』の当初のスケーターからかなり若返りました。年数がたっていくので、自分も変わっていますし、新しいメンバーもたくさんいるので、3回目の『氷艶』は、今までとは違う感覚でのスタートになりますね」 最後に今回の「氷艶」についての意気込みを語ってもらった 「『氷艶 hyoen 2024 -十字星のキセキ-』の全貌は、5月の稽古合宿がこれからなので、僕自身もまだ蓋をあけてみなければわからない部分はあります。でも、過去の『氷艶』のことを考えても、異種のエンタメの演者さんたちが全力で挑むことの化学反応はすごいので、絶対におもしろいものになると確信がありますし、おもしろいものにしなくてはいけないと思っています。 2023年の競技引退以降、おかげさまでとても忙しくさせていただき、今とても充実しています。いろんな挑戦をやれるうちにやって、まだまだ新しい高橋大輔をお見せしていきたい。まずは今回の『氷艶 十字星のキセキ』に全力で挑むその先に、どんな自分に出会えるか、とてもわくわくしています」 このインタビューの後、当初は演出だった宮本亞門さんが演出原案に変更となった。新たに演出統括にとして全体をまとめるのは、「氷艶のすべてを知る男」尾上菊之丞さんだ。彼は氷艶の第一作からスピンオフのLUXEまで全ての氷艶関係の作品に関わっている。 また、演技指導として第2作の『氷艶 ―月光かりの如くー』にて、高橋さん演じる光源氏の相棒、頭中将役を演じた福士誠治さんが加わり、頼もしさを増している。そして、幼馴染のトキオ役は小野田龍之介さんに代わり、10月にニューヨークでのミュージカル、「進撃の巨人」の出演を控える大野拓朗さんが登板。合宿の初日から積極的にスケートの練習にのぞみ、日に日に上達している様子がうかがえる。合宿を経て、メンバーの結束も高まっている状況で本番の幕があがる。さて今回も、どのような化学変化がみられるのだろう。 ---------- 「氷艶 hyoen 2024 -十字星のキセキ-」 横浜アリーナにて、6月8日、9日、10日、11日 16時開演 「君とまためぐり会いたい、この銀河の片隅で」 宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」をモチーフにした氷上総合エンタテインメント。現実と銀河の世界を舞台にした、幼馴染の二人の永遠の別れの先にある、魂の再生の物語。 演出統括:尾上菊之丞 脚本:坂口理子 主演:高橋大輔 主題歌・劇中歌:ゆず 出演者:高橋大輔、福士誠治、大野拓朗、荒川静香、エハラマサヒロ、村元哉中、友野一希、島田高志郎、長谷川開、エリアンナ、まりゑ その他 https://hyoen.jp ----------
田中 亜紀子(ライター)