Iターンのピーマン農家 スマート農業駆使し魅力伝え後継者育成 鹿児島・志布志市
(鮫島悦生さん)「薩摩切子を20年くらいやっていて、今に至っている。なんとなく走り切った気持ちもあったので、もう1つチャレンジしてみたいなと考えたときに農業があって」 趣味で始めた家庭菜園でその魅力に取りつかれた鮫島さん。去年、薩摩切子の職人を辞め、農業の世界に足を踏み入れました。家族を鹿児島市内に残し、志布志市に移住、単身で農業を学んでいます。 梅沢さんが大切にしているのが技術の継承だけでなく、農業の魅力や楽しみながら仕事に向き合う姿勢です。 (鮫島悦生さん)「めちゃくちゃ楽しい。農業しているとトラブルがつきもので、冷静に、たまには笑いにしながらトラブルを解決していく梅沢さんの姿勢は学びがいがある。後悔はない」 志布志市農業公社では、新規就農希望者を受け入れ、指導や資金面のサポートなど移住から独立までを支援しています。 2021年までの25年間に研修を受けた136人のうち、6割は県外からの移住者でした。農業公社では「志布志で暮らし、農業を続けてほしい」との思いから、研修の条件として「研修後も志布志市に定住」「単身も受け入れるが夫婦で参加」「国の補助金の対象となる45歳未満」などを設けています。 梅沢さんは「農業を始める人の間口を広げたい」と、2021年から年齢制限以外の条件を設けずに、志布志市で初めて個人で新規就農者の受け入れを始めました。 (梅沢健太さん)「新しい技術、前向きに取り組むポジティブな考え方。農業ビジネスなので、稼いでいかないと家族も養えない。経営の勉強も力を入れている」 梅沢さんのもとで研修を受け、去年独立した迫口晃平さん(36)です。就農1年目の去年は、志布志市のピーマン農家の平均13トンを超える21トンを生産しました。 (迫口晃平さん)「作業効率がいい方のやり方をやっていると思うので、真似している。わからないことがあればすぐ教えてくれるので頼りになる」 梅沢さんの取り組みに公社も刺激を受けています。
(志布志市農業公社 猜野宏樹 事務局長)「新たな技術を取り入れることに対して、すごく前向きな考えを持っているので、我々も参考になる。同志だと思って頼もしく思っている」 子どもたちに収穫体験など、農業の楽しさを知ってもらう活動も行う梅沢さん。地域の良さを知り、地元に残ってほしいと願っています。 (梅沢健太さん)「汚れたり休みがなかったり、危険だったりする中で楽しいのは自分も感じているし、どんどん伝えていきたいのと、研修生が就農したあとも助け合えるグループの強みをいかして農業をしていきたい」 働き方が見直され、変わりつつある農業の現場。後継者不足解消のカギになりそうです。
南日本放送