“鉄人”金本氏に並ぶ35試合連続出塁記録の巨人・坂本勇人は「キャッチャー泣かせ」
巨人の坂本勇人(30)が11日、東京ドームで行われたヤクルト戦の初回の第1打席でセンター前ヒットで出塁、開幕からの連続出塁試合記録を35試合に伸ばし、1997年に広島時代の金本知憲氏が作った3セ・リーグ記録に並んだ。坂本は、前日に王貞治氏が1977年に作った33試合の球団記録を抜いていた。現在、打撃3部門のトップに居座る“3冠王”。試合は1-3で敗れたが、首位・巨人を坂本が引っ張っている。 いつでも坂本が塁に出る。長嶋氏、王氏というレジェンドの記録を抜いた坂本が、この日、“鉄人”金本氏のセ記録に涼しい顔で並んだ。 1回一死からヤクルトのベテラン左腕、石川のアウトコース高めに少し動いたボールをバットの先ながらしっかりと振ってセンター前へ。 試合後、原監督が「いとも簡単にと表現できるヒット」と表した1本。そして圧巻は0-3の点差で迎えた9回だ。 先頭の坂本は、ヤクルトの新守護神、梅野がアウトコースに投じた150キロのストレートを逆らわずにライトのポール際まで運び、最後の意地を見せたのである。さらに一死となって岡本がレフト前ヒットで出塁。二死一、二塁の一打逆転のムードを作りながらも、最後は、代打・マルティネスが三振に倒れゲームセットとなったが、坂本の存在感は際立ち、最後までファンをドームの観客席から立たせなかった。 出塁記録だけでない。これで打率.348、13本塁打、30打点で、打撃3部門のトップをキープ。今や“無双”状態である。 なぜ坂本の出塁記録が続くのか。 坂本自身は、後ろに控える丸の存在を理由に挙げている。いわゆる“サカマル効果”だ。 今季は開幕から14試合が2番を打ち、3番が丸。4月16日の広島戦から1番に入り、2番丸の並びが、16試合、5月5日の広島戦から再び2番・坂本、3番・丸の打順に戻り、この日で5試合目。1、2番と打順が変わっても、坂本―丸の並びは35試合変わらない。 「丸へつなげばなんとかなる」という意識。そして、次打者の丸がいることで坂本一人に集中することができないというバッテリーへ与える心理的なプレッシャー。“サカマル・コンビ”が最上の相乗効果を生み出している。