九州の物流に大きな変化をもたらす「UPS貨物」定期便 北九州空港を舞台にした新たな動きに注目 【福岡発】
注目の成長ビジネス 越境EC
一方、小口貨物をより多く取り扱うUPSにとって追い風となる動きもある。 福岡・春日市の住宅街に建つ一棟の倉庫。倉庫内いっぱいに並ぶ棚には、アニメグッズに人気キャラクター、小物アクセサリーなどののほか、Kポップアイドルのブロマイドまでさまざまなものが保管されている。その数、10万点以上。全て海外に出荷される小口貨物の商品だ。 倉庫を管理する『ブレス・インターナショナル』は、国際的な電子商取り引き、いわゆる越境ECによる購入代行事業などを手掛けている。 ブレス・インターナショナルの北尾圭与子さんは「海外の人が購入代行サイトからメルカリやラクマなどのWebサイトを通じて商品を購入し、出荷までできる」と話す。越境ECはいまや世界で100兆円規模とされる注目の成長ビジネスなのだ。 日本を訪れた外国人観光客が帰国後に越境ECを利用するケースも増えている。売れ筋商品のなかには、太宰府市の竈門神社のお守りまで用意されている。竈門神社は、人気アニメ『鬼滅の刃』の聖地として外国人観光客にも広く知られた場所だ。
「UPSを使えば九州は世界に近い」
国境を越えるビジネスが大きく変化するなか、UPSジャパンの加藤社長は「越境ECは九州、特に福岡市などはスタートアップ企業が多く存在し、越境ECの需要も多くあると感じている。自動車や半導体を含むハイテク産業は、九州・日本全体として当社の注力産業。今後、九州に関しては取り扱う量が伸びていくのではないか。九州は官民一体となって成長産業を後押しする態勢が完全にできあがっている。我々も物流面でサポートしたい」と地場経済を支えるために国際物流の果たす役割はいっそう重要になると語る。 さらに「北九州空港はアジアのなかで非常に良い立地条件にあると思う。UPSを使えば九州は世界に近い」と北九州空港発着のメリットは今後、益々生かせるものになると語る。 北九州空港を舞台にした物流の新たな動きに今後も注目だ。 (テレビ西日本)
テレビ西日本
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