次期トランプ政権下で米国株高は本当に続くのか
■FRBの体制そのものが揺らぐ可能性は低い さらに、トランプ次期大統領は、前回の同政権時代と同様に、FRBの政策対応に対する自らの考えを述べて、あからさまな圧力をかけるだろう。ただ、インフレ安定と雇用拡大というデュアルマンデート(2つの使命)を課せられるFRBの体制そのものが揺らぐ可能性は低い。 2026年にジェローム・パウエル議長は任期を迎えるが、よりハト派志向を持つ人物が議長に選出される可能性が高く、この点もアメリカ経済の成長を支えるだろう。
以上を踏まえると、レッドスイープ期待で上振れした米国株市場については、短期的には材料出尽くしで下げる場面があってもおかしくない。ただ「2025年にかけて経済の安定成長が続く」という市場の期待は次期トランプ政権下で、より高まる中で、株高基調は簡単には崩れないだろう。 (本稿で示された内容や意見は筆者個人によるもので、所属する機関の見解を示すものではありません)
村上 尚己 :エコノミスト