「選手の情が感じられる競技は他にない」競輪への情熱溢れる“卒記チャンプ”森田一郎/未来の競輪スター候補
“レースの組み立て”は誰にも負けたくない
ーー特定の「ライバル」のような存在には出会いましたか? 森田 山崎歩夢候補生や中石湊候補生の2人は意識していました。特に山崎候補生には第2回トーナメント競走で負けてしまって、それがとても悔しくて。それ以前も意識はしていましたが、それからさらに意識しました。第2回トーナメント競走が終わって卒業記念レースまで3週間ほどでしたが、練習を見つめ直して最終調整をきっちりしました。これは山崎候補生の影響を受けてのもので、自分の置かれている立場を再認識するきっかけになりました。 ーー森田候補生はゴールデンキャップを獲得していますし、200m、400m、1km、3kmと記録会で好タイムを打ち出しています。中でも今後強化していきたい部分はありますか? 森田 競輪のレースを想定して考えてみて1kmはもっと強化していきたいです。今後は長い距離をしっかりと踏んでいくことが課題になってくると思うので、そこを強化していきたいです。 ーーなかでも得意としている距離は? 森田 得意と言えるものはありません。本当にまだまだだと思っています。タイムの面ではさきほど名前を挙げた山崎候補生や中石候補生がベストな状態であれば負けてしまうと思いますし、僕はダッシュ力がありません。1kmを強化したいと言いましたが、200も400も必要ですし、全部の力を上げていく必要を感じます。 ーー誰にも負けたくないポイントはありますか? 森田 レースの組み立て、でしょうか。他の候補生に比べて脚がないとしても負けるわけにはいきませんから、足りないところがあっても組み立てでカバーしたいと思いますし、その部分は誰にも負けないように強化していきたいです。 ーーいよいよ卒業という今、デビューを見据えて期待と不安の割合はどんな感じでしょうか? 森田 期待が3割ぐらい、残り7割ぐらいが不安です。 ーープロ生活で楽しみにしていることはありますか? 森田 これまでは頑張る先に結果しかありませんでしたが、プロとして走ることで賞金をいただくことができます。お世話になった方々、家族や地元の友達と今までとは違う恩返しの材料が増えるのは楽しみに思います。