Z世代の共感とトレンドを掴む 「HA-LU」が描くショートドラマの未来とは
広告宣伝費を一切かけずに総再生回数が5,800万回を超える「HA-LU学園」 ヒットの秘密
ーZ世代の共感を呼ぶコンテンツを作るために大切にしていることを教えてください。 シンプルなことですが、「広告感を出さないこと」を常に意識しています。例えば、動画の冒頭から商品を前面に押し出したり、コンテンツの中で商品の説明をただ読み上げて紹介したりするような動画は、絶対に作らないようにしています。 Z世代は広告に対して非常に敏感です。僕自身もそうですが、広告っぽさがあると一気に興味を失ってしまいます。加えて、広告に対するリテラシーは高まっており、以前なら見逃されていたような広告も今はすぐに見抜かれ、一瞬でスワイプされてしまいます。 そのため、企業とタイアップをする際には、広告感を極力抑え、商品をいかに自然な形でコンテンツに溶け込ませるかを非常に重視しています。同時に、商品の魅力をきちんと伝えるために、企業としっかり方向性をすり合わせながらコンテンツを作り上げています。 ーショートドラマのテーマを決める際に意識していることはありますか。 共感できるコンテンツを作ることを重視しています。今の若い世代は「共感」を非常に大事にしており、自分ごととして捉えられるストーリーを好む傾向があります。例えば、恋愛リアリティショーが流行したのも、そのストーリーが視聴者にとって自分ごと化しやすく、感情移入しやすかったからだと思うんですよね。 そのため、「こういうことあるよね」といった共感を得やすい場面や、「私だったらこうするのに」と視聴者が自分を主人公に重ね合わせたコメントが返ってくるコンテンツ作りを意識しています。 ーその中で、コンテンツのアイデアはどのように生み出しているのでしょうか? 社内で企画会議を開き、社員それぞれの原体験をもとに議論を重ねてアイデアを生み出しています。一人ひとり経験した青春は違うので、複数人でアイデアを出し合い、異なる青春エピソードを組み合わせたり、みんなの「きゅん」とするポイントを取り入れたりしています。そうすることで、多くの人が共感できるコンテンツが生まれているのではないかと思います。 また、視聴者の共感をより得やすくするため、撮影前に内容を決めすぎず、演者の素の反応をそのまま採用し、リアルな青春を演出することもあります。