Z世代の共感とトレンドを掴む 「HA-LU」が描くショートドラマの未来とは
成長する市場とHA-LUの展望
ー直近で新たに挑戦することがあれば教えてください。 現在、1話1~2分で全30話からなる長編ドラマの制作に挑戦しています。この作品は、今年の冬に株式会社Minto、株式会社NTTドコモ・スタジオ&ライブ、株式会社FANYがリリースする縦型ショートドラマプラットフォームで公開される予定です。これまではTikTokといったSNSプラットフォーム内で公開していましたが、今回はショートドラマ専用のプラットフォームでの展開になります。新しい領域での試みなので、どんな反響があるか楽しみです。 ーこれからショート動画はどのように変化していくと思われますか? 今以上に一般的なものになり、生活に定着するのではないかと思います。現在「ドラマ」といえば、地上波のドラマを思い浮かべる人が多いと思いますが、今後、ショートドラマにも大物俳優や芸能人が出演する機会が増えていけば、ショートドラマも広く認知されるようになるでしょう。僕たちも、そうした流れの一端を担っていきたいと思っています。 それこそ、YouTubeも同様の変化を遂げています。現在では、大物俳優やお笑い芸人が出演することも当たり前になっており、ショートドラマも同じような流れを辿るのではないかと感じます。 さらに未来の話をすると、Apple Visionのようなデバイスがインフラとして普及し、今よりコンパクト化された世界では、ショートドラマの枠組みは残りつつも、視聴者がより没入して楽しめるコンテンツへ進化していくかもしれません。 ー今後目指すビジョンを教えてください。 HA-LUとして目指しているのは、「数秒で心が夢中になるコンテンツを作る」こと。そしてそのコンテンツを通じて、自分の純粋な気持ちを大切にして生きていく大人を増やしていきたいです。 例えば、小中学生がサッカー選手や野球選手になりたいと無心で練習に励むように、自分の思いに対してフィルターがかかっていない、まっすぐな感覚って素晴らしいと思うんです。 でも、大人になると会社や人間関係、お金といった雑音が入り、自分の行動や思いにフィルターがかかるじゃないですか。自分にはできないとか、そもそも夢って何だったっけと迷うこともある。その状態が僕はすごく嫌で、大人になっても自分の気持ちにフィルターをかけずに夢中で生きていきたいと感じています。 こうした大人になってもピュアな気持ちを持って青春しようという思いを、第2の青春「青春2.0」と呼んでいます。この青春2.0をテーマにしたコンテンツを作り続けることで、大人になってもピュアな気持ちを持って生きていける人を増やしていきたいですね。 今まさに成長しているショートドラマ市場。SNSでショートドラマを用いた広告を目にすることも増えてきており、市場の変化を目の当たりにしているのだと実感する。大手企業が参入を始める中、HA-LUは良い意味で“若い”会社だ。社員の平均年齢が20代前半と、社内の大半がZ世代かつ、SNSによる消費の最前線を走る世代。彼らが自らの感覚を取り入れて、若者に刺さるコンテンツのテーマや方針を決めていることに加え、スタートアップならではの行動の速さ、柔軟さを持ち合わせていることは、HA-LUにしかない強みだろう。これから急速に進化していくであろうHA-LUと、日々変化していくショートドラマ市場から目が離せない。 (※)サイバー・バズ/デジタルインファクト「2024年国内ソーシャルメディアマーケティングの市場動向調査」