Z世代の共感とトレンドを掴む 「HA-LU」が描くショートドラマの未来とは
Z世代をターゲットにするHA-LUのマーケティング施策とノウハウ
ーコンテンツ作りにおいて、マーケティング視点で意識していることを教えてください。 コンテンツ作りにおいては「マーケター目線」と「ユーザー目線」の2つがあると思っています。その中でマーケット目線に立った場合、今流行っているモノや音楽、ダンス、ユーザーの年齢、性別など、SNSの“市場”にどれだけ刺さるかという観点でコンテンツを作ります。しかし、それだと表面的なコンテンツになってしまいがちで、数字が伸びない場合が多いんですよね。 そこで最初に、広くは刺さらないかもしれないけれど、誰かには深く刺さるようなコンテンツを作ったんです。刺さるか刺さらないか、ギリギリを狙ったコンテンツでしたが、見事に深く刺さって大きくバズり、一気に多くの人に広まっていきました。 このように「ユーザー目線」で認知度を上げてから、「マーケター目線」でのコンテンツ作りも意識し、より幅広いユーザーに刺さるようにしています。 ー作ったコンテンツが狙ったユーザーに刺さっているかどうか、どのように把握していますか? コメントや再生数は、分かりやすい指標だと思います。再生数が伸びたり、共感や自分ごととして受け取った反応をしているコメントが多かったりしたら、ちゃんとユーザーに刺さっていることが分かります。 特にTikTokなどのSNSは、コンテンツを公開してから、視聴されたりコメントされたりといったユーザーの反応が速いため、何度でも検証が可能です。狙った反応が得られなかった場合は、コメント欄を確認したり、ユーザーにリサーチを行ったりして、フィードバックを集めます。そのデータをもとに、新しい動画を作成して公開することを繰り返して、若者に刺さるコンテンツを探っています。 ーコンテンツを配信するプラットフォームはどのように使い分けていますか? 各プラットフォームの特徴を生かして、意識的に使い分けをしています。TikTokは、圧倒的に接触機会が多く広範囲にリーチできるため、多くの人にコンテンツを届ける場として活用しています。Instagramはビジュアルを魅せるSNSなのでブランドイメージの構築に適しており、ブランディングを強化する目的で使用しています。YouTubeは、ユーザーが能動的にコンテンツを見るため、ファン化を促進する場として活用しています。 TikTokで多くの人にリーチし、InstagramとYouTubeでファンを獲得していくようなイメージです。 ーフォロワーを増やすために意識していることはありますか? 「フォロー」のボタンを押してもらうまでの流れを、できるだけ詳細に考えることが重要だと思います。単に「動画を作ってバズればいい」という感覚では、再生数は伸びてもフォロワーの数に繋がらないことが多いです。 例えば、視聴者がコンテンツを見ている最中にどうすれば手を止めて、プロフィールに飛び、フォローボタンを押すのか。これを具体的に想像します。そのために必要な要素をすべて洗い出し、「こうしたら絶対にフォローボタンを押してくれるだろう」というところまで落とし込むと、それに合わせてコンテンツや行動も自然と変わっていきます。 加えて、各プラットフォームの特性に合ったコンテンツ作りをすることも意識しています。例えば、TikTokはユーザーが受動的に視聴するため、最初の数秒でスワイプを止めさせ、最後までぼーっと見続けたくなるような動画と相性がいいんです。こうした各プラットフォームの性質を踏まえ、コンテンツを試行錯誤してきました。