東大・安冨教授、れいわ新選組から参院選出馬(全文4完)年金問題は歴代政治の連帯責任
子供が大事にされていない状況はどういうところに現れているのか
記者1:たびたび恐れ入ります、フリーの【オカダ 00:42:40】です。安冨さんに2つ伺います。子供が大事にされていない実例というか、状況というのはこの国でどういうところに見られるとお考えになっているか。あと、国民国家が終わって新しい世の中の形に組み替えるっていうのは、どういうプロセスを経て、どのぐらいのタイムスパンで実現されるとお考えになっているかということです。 山本代表、野党共闘について代表、尽力されてきたんですが、なかなか思うようにいってないところがあるように思うんですけれども、現状どういうふうにご覧になっているか、これまでのプロセスをどのようにご覧になっているか、あらためて伺えますでしょうか。以上です。 安冨:子供の虐待っていうのは、いわゆる虐待だけでは私はないと思っていて。例えば学校制度というもの自体がシステムの構造的虐待だと思っていて。私自身、研究者であり特別変わった研究者であって、普通の研究者は専門分野だけ勉強するんですけど、私はいろんな分野の勉強もしてるんですが、私の知識のうち学校で身に付けたものってもうほとんどないに等しいんですね。それは私だけではなくて皆さんも、我が身を振り返っていただければ、学校で習ったことをどのぐらい覚えているかをちょっと正直に告白していただきたいんですけど。 だいたい1人当たり2000~3000万円、私は税金が掛かっているんだと思うんです。学校教育にですね。1人2000万も3000万円も掛けたわりに、皆さん全然何も身に付けていない。これはいったい何をしているんだと。知識を子供が習得するっていう場ではないって私は考えていて、そうではなくておまえは無力で無能でなんの力もないから、そこに座っておれっていうことをたたき込んでいるに過ぎないんだと思っています。
子供は大人になる前の劣った人間、というのが今の制度
だから私たちは莫大な税金を投入し、子供をスポイルし、自分で立っていって暮らしを立てる暮らしを持たない人間をつくり出している。それが教育だと思っています。いわゆる、だから私たちは苦しいんだと。なので、目に見えている逆に対処するということではないと私は思っていて。子供というものが社会の中心であって、大人は子供を守り、子供の夢をかなえたりするために生きているんだっていうふうに位置付けを変えるっていうことがない限り、子供は大人になる前の段階の、劣った人間であるというのが今の制度です。 全ての大人は選挙権を持っていて、それを代表する政党があるかもしれないけれど、子供は子供の利益を代表する政党はないんですね。そういうことの構造的なものが私は全てが虐待だというふうに思っています。 それから将来はどうなるのかっていうと、私にもまったく分からないです。私もだから国民国家の中で生まれ育ち、そのイデオロギーの中でもがき苦しんで、ようやく今、それがある種の狂気だっていうことに気付いたに過ぎないので、この先がどうなるのかは私が自ら提示するということはできないと思います。 じゃあどうするのかっていうと、それはやはり子供たちに決めてもらうしかない。見いだしてもらうしかない。だから19世紀的な軍隊とか工場に適応するような、命令を聞いてそれを実行するような人間ではなく、未来を切り開いていく、暮らしを立てていくっていう力を、創造性を持った子供たちを莫大な数養成しないと、次の時代をどうやっていいかなんて分かるはずがないって思ってます。 そのプロセスはですから少なくともワンジェネレーション、たった今、私たちがこれまでの国民国家システムに適合するように、子供を虐待するシステムを一生懸命維持してきたのをやめ、1人1人の子供たちを守り、彼らの夢をかなえるために全力を挙げるっていうふうにたった今、切り替えたとしても、1世代かかりますね。だからそういう意味でいうとやっぱり何十年っていう時間が必要なんだとは思います。