ナンバープレートは個人情報じゃないけどネットで写真を出しても問題なし? 議論百出のナンバー晒し問題をオフ会の達人が法とマナーから考える!
ネットを騒がせる「ナンバー隠し」問題
たびたび論じられる「ナンバープレートを隠すべきか否か」問題。昭和の時代はもちろんのこと、平成初期のころもナンバーを隠す風潮はほぼなかったと記憶しています。 【画像】事故っても違反しても逃げきられる? できれば近づきたくない青いナンバー もう半世紀以上も前のことですが、「品川50 か 12-34のナンバーを付けたクルマが盗まれました(数字は仮です)」という事件が、とあるクルマの雑誌の広告ページで紹介されたこともあったくらいです。 その後は個人情報に関する意識の高まりやプライバシーへの配慮、さらにはクルマの盗難対策などの観点から「ナンバープレートは隠すべき」という暗黙のルールが浸透しているような印象を受けます。 その一方で、ナンバーを隠さず、そのまま雑誌やネット上に載せているケースも見受けられます。そこで今回は、クルマのナンバー隠し問題に関する事情について考察してみたいと思います。
●ナンバーで個人情報の開示ができたのはもう20年近く前の話
2006年まではクルマのナンバーと身分証明書、そして開示理由を自動車検査登録事務所で請求すれば個人情報が得られました。しかし、2007年に行われた法改正によって、前述の条件に車体番号の明示が加わったのです。つまり、ナンバープレートを介して個人情報を得るハードルが(いい意味で)上がったことを意味します。 その結果、法的には「ナンバープレートを隠さずそのまま雑誌やWebなどに公開しても誰のクルマなのかはわからない(と思われる)」という解釈が成立します。ただし、あくまでも「法的には」という但し書きがつくのです。ナンバーを隠さずそのまま雑誌やネット上に公開すること自体は即座に違法とみなされるわけではありません。ただし、判断が難しい、そして非常にやっかいな「グレーゾーン」でもあります。
●マナー? 常識? いまでもナンバーをわざわざ隠す理由は?
オフ会やイベント会場を取材していると、オーナーによってはまったく気にしない人と「もし掲載するならナンバーはすべて隠してください」と念押しをしてくる方もいます。当然ながらナンバーの情報が判別できないよう、すべて消して記事として公開しています(エンジンルーム内の車体番号やコーションプレートの情報もすべて消しています)。クルマのナンバーを隠すことはもはや「暗黙のルール」であり、同時に「無用なトラブルを回避するための自衛手段」でもあるのです。 ここ最近、クルマの盗難に関する報道が増えています。不特定多数の人が目にする雑誌の記事やインターネット上に、ナンバーを隠さずそのまま自分の愛車が載ってしまうことはリスク以外の何ものでもありません。いまでもナンバーをわざわざ隠す理由として考えられるのは、「マナー」であると同時に「盗難対策」の一環として必要な行為だといえそうです。