優勝持ち越しも 大阪「広島カープ居酒屋」は空席待ちに
広島カープの25年ぶりリーグ優勝までM2に迫った8日夜、大阪でもカープ党のいこいの場となっている居酒屋にカープファンが集まり、優勝決定の瞬間を待ち構えたが、優勝はあす以降に持ち越しとなった。ファンたちは「残念」と落胆しながら、「早く優勝を決めて日本一まで勝ち進め」と選手たちに熱いエールを送っていた。 【拡大写真】店先に広島カープ応援旗を設置する花谷金士郎店長
優勝の瞬間を待ち構えるカープファンで満席
この居酒屋は大阪市中央区天満橋の「こんご天満橋本店」。1973年の創業以来、広島出身の創業者花谷金剛さん、次男で現店長の金士郎さんらが親子2代でカープを応援。大阪を代表するカープファン結集の店として知られている。 お昼のランチタイムの営業を終えた8日午後2時過ぎ、花谷店長が真っ赤なカープ応援旗を店先に設置し、夕方からの本番に備えた。 店が自前で作成した思い出深い応援旗だ。カープが最後にリーグ優勝した25年前の1991年、花谷店長は学生アルバイトとして店を手伝いながら優勝の瞬間を迎えたが、今回は店を切り盛りする店長として優勝に立ち会うことになった。 店の定員は55席で、優勝の喜びを分かち合いたいカープファンで満席に。午後6時からカープはマツダスタジアムで中日ドラゴンズと、2位の巨人は甲子園球場で阪神タイガースと対戦。カープが勝ち、巨人が負けると、カープの優勝が決まったが、先に巨人が勝ったため、この時点でカープの優勝はあす以降に持ち越された。 巨人の勝ちが決まった瞬間、店内からはため息がもれた。しばらくしてカープが勝利し、マジックはついに1に。今度は店内から「ようやった」と歓声があがった。
カープ女子は「M1も初体験で夢心地」
カープは9日、試合がない。巨人はヤクルトと対決するため、巨人が負けた時点で、試合がなくてもカープの優勝が決まる。ファンとしては応援をしにくい落ち着かない1日となりそうだ。 赤いユニホームを着込んだ30代のカーブ女子コンビは「M1も初めての体験なので、夢見心地。しっかりかみしめたい」「選手の皆さんはあすゆっくり休み、次の巨人との直接対決で勝って優勝を決め、日本一になってほしい」と話した。 店外では空席ができるのを待つ人たちの姿も。カープ談義に花を咲かせていた男性3人組は初めて出会ったという。20代から40代まで世代もバラバラながら、カープの話題で意気投合。空席ができると店内に入り、仲良く応援歌を歌って盛り上がっていた。 花谷店長は料理や接客に追われながら「マジックを減らすことはできたが、広島の本拠地で優勝を決めたかったので、やや残念。あすも予約が入っているので、優勝決定を前提にお客さまをお迎えしたい」と気持ちを引き締めていた。優勝決定時には松屋町のおもちゃ問屋街で仕入れてきたジェット風船を飛ばして、喜びを分かち合う予定だ。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)