保志総一朗『ガンダムSEED』役作り悩んだ22年 キラの成長に追いつけず…続編期待で「完結するような物語ではない」
■アスランは「親友」 ラクスとは「“ケジメ”を」
キラを語る上で欠かせないキャラクターである、アスラン・ザラとラクス・クライン。今作ではライジングフリーダムガンダムに搭乗するキラの“撃墜”や、ラクスがキラのもとから離れていってしまうような衝撃の展開も描かれている。自信を喪失したキラを叱咤激励するのがアスランだが、関係性を「やっぱり親友だよね」と言い切る。 「『SEED』時代もいろいろあったし、乗り越えたと思ったら『DESTINY』でもいろいろあった。なんだかんだアスランとはいろんな意味で戦っています。でも根底には親友としてお互いが好きという想いがあり、そこは揺るがない。その中でいろんなすれ違いやぶつかり合いがあるので、2人の“戦い”にはドラマがある。やっぱり毎シリーズほしいですし、今回も描いてもらえてうれしかった」 今回の劇場版における中核の一つとも言えるラクスとの関係性には、「予告編やキービジュアルなどでもキラとラクスの物語が推されていましたし、“ケジメ”を一つ見せておきたいと感じていました」と前置きし、「他のキャラクターたちの恋愛ドラマは具体的に描かれてきたけど、ラクスとキラの場合はフワッとさせていた。恋愛という枠にとどまらない絆のようなものが中心と思っていた」と表現する。 そういった描き方に納得しつつ、「今回そういった部分でみんなに見せたい物語があるという、描く側の覚悟を感じました」と口にし、「“答え”になるかはわからないけど、キラもそうだしラクスも明確なものを見せていく。何か感じてもらえたと思います」と思いをはせる。 ■『ガンダムSEED』は“家族”であり、リスペクトを持って大切にしていきたい 2002年10月~2003年9月に放送された『機動戦士ガンダムSEED』。シリーズ誕生から20年以上を経た今、保志にとって『ガンダムSEED』、そしてキラ・ヤマトはどのような存在になったのだろうか。 「多くの作品に関わらせてもらう中で、声優である僕に『ガンダムSEED』のイメージは強いだろうし、関わってきている年数やボリュームなども含め、常に声優として自分の“看板”みたいな感じになっています。ありがたいし、自分の財産だとも思っています」。 そんな保志だが、「いろんな人が関わっていて、たくさんの人で作り上げている作品なので、そこは勘違いせずに、僕も大事にしていきたい。“家族”だけど甘えすぎず、ちゃんと礼儀とリスペクトを持って接して大切にしていきたいし、そういう付き合いをしていきたい存在です」と謙虚さも忘れない。 「ガンダムシリーズは自分がいなくなった後も残る作品だったりキャラクターだったりするので、一生もので関わらせていただきたいキャラクターだし、本当に大事にしていきたいと思っています」と力を込めた。