建築のストーリーテラー、 イワン・バーンの撮る写真の世界。
本展では、バーン自身がセレクトした1万4000点から、ここで触れたすべての写真を含む2,000点の写真を、中国でのドキュメンタリー、有名建築、世界各地のプロジェクト、伝統的家屋などに分けて展示。 建築写真家ではなく“建築のストーリーテラー”であるバーンの作品を通して、建築の新たな魅力に触れられるだろう。
『Iwan Baan: Moments in Architecture』
バーンのアイデアで、フランク・O・ゲーリー設計の美術館の建物自体を展示の一部とみなして、普段は壁で閉じている開口部やトップライトを開放し、ほぼ原型の姿となっていることも見所のひとつ。~2024年3月3日。なお、同展は6月5日から9月8日までマドリードの〈Museum ICO〉に巡回する。〈Vitra Design Museum〉Charles-Eames-Str. 2, 79576 Weil am Rhein, Germany。10時~18時。無休。入場料15ユーロ。
田根剛〈ガーデンハウス〉に関する展示も同時期に開催中。
有名建築家による数多の建築物のある〈ヴィトラキャンパス〉に、2023年に仲間入りをした田根剛設計の〈ガーデンハウス〉。その制作の過程をつぶさに紹介した『Tane Garden House』展が、〈ヴィトラ デザイン ミュージアム 〉に隣接する〈ヴィトラ デザイン ミュージアム ギャラリー〉で開催中だ。 2020年、キャンパス内にあるピート・アウドルフ設計の庭〈アウドルフ ガーデン〉を世話する庭師たちの休憩小屋をつくるというこのプロジェクトは、ヴィトラ社名誉会長ロルフ・フェルバウムと田根との密な会話から始まった。なぜ私たちに庭が必要なのか? 地域に根ざす建築とは? 時を経ても古びないデザインとは? 田根が「考古学的リサーチ」と称する、その土地の根源に遡り思考を掘り下げ、トライアル&エラーを繰り返すプロセスは、クライアントとしてヴィトラの全ての建築設計に関わって来たフェルバウムにとっても今までにない経験となったという。