「種蒔き」をした者と怠ってきた者の明暗【ワールドサッカーダイジェストのザ・ジャーナリスティック】
伝説的スターを見出しつつ種を蒔きつづけたクライフ
21歳でブレイクし、すでに今夏のバルサ入りが決定しているデヨング。クライフが植え付けた哲学は、アヤックスにもバルサにも、まだ脈々と受け継がれている。(C)Getty Images
「パンを食して満足するのではなく、種を蒔くことが大事」。かつてヨハン・クライフはそう語り、フットボールにおける育成の重要性を説いた。“種蒔き”をしてきたクラブとそうでないクラブで明暗が分かれつつある。(文:ヘスス・スアレス・訳:小宮良之 2019年5月16日発売ワールドサッカーダイジェスト『ザ・ジャーナリスティック スペイン』を転載) ―――◆―――◆――― 「Pan para hoy,Hambre para manana」 スペインには、こんな諺がある。 直訳すると「今日のパン、明日の空腹」となるこの諺の意味は、一寸先は闇。目の前の欲望を満たしても、明日はどうなるか分からないということを伝えている。 フットボールの世界は今まさに、今日のパンをがっついて求め、明日の空腹に困るような状況になっていないだろうか。 「目の前にあるパンを食して満足するの
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