東大の院生が幼少期にやっていた「算数が得意な子」に育つ室内遊び
認知心理学・学習心理学の専門家であり、東大院と千葉工大院に進まれた理系大学院生のお子さん2人を育てられた中牟田宴子先生に、幼児期の遊びについて聞いていきます。 【頭のいい子の育て方】全国トップレベルの子どもの親が「絶対にやらないこと」 中牟田先生はお子さんが小さい頃から忙しく働かれていましたが、ワーキングマザーでもできる「家庭での関わり」の中で、お子さんたちは、学ぶことが大好き!算数が大好き!という風に育ったのではないかとお話されてます。
レゴブロックやLaQが人気
えり先生(以下、えり):Instagramでアンケートを取りましたが、外遊びの次に、ブロック遊びや工作といった「作る遊び」も人気でした。中牟田先生はどう評価されますか? 中牟田先生:作る遊びは巧緻性が高まったり、仕組みを考える力がつくというのがあります。 さらに、レゴやLaQはパーツがたくさんあると「お友達と共有」できます。共有できるということは、共同で大きなものを作ることもできるし、パーツの取り合いで喧嘩や交渉を経験することもできます。 えり:なるほど、前回も話されていた「人間関係」の話にも繋がりますね! 中牟田先生:我が家にもありましたが、例えば「変身ベルト」のようなおもちゃは「共有できない」おもちゃです。これは1人1つ買ってほしいというマーケティング的な発想がされています。子どもが欲しいのであれば買ってあげたらいいと思うのですが、それだけではなく「お友達と共有して一緒に遊べるおもちゃ」も意識的に取り入れられるといいですね。 レゴなどの単純なもの以外でいうと、プラレールもたくさん持っていました。これも「共有できるおもちゃ」で、協力して作ったりしてましたね。
レゴや工作などの「作る遊び」は声かけが大事
えり:一人で遊んでいる時、親の関わりはどうすべきですか? 中牟田先生:黙々とやっているときは、声をかけずに離れて見守っていればいいです。手が止まってしまった場合は、心理学者ヴィゴツキーの理論に基づいてブルーナーが提唱した「足場かけ」の理論に基づいて声をかけてあげると効果的です。 例えば、ブロックで遊んでいるとしましょう。 まずは ①共感・感想の共有 「たくさん並べたんだね~」「ここ箱みたいになってるね~」と伝えます 次に ②必然性を感じる目標 を設定してあげます。 この「必然性を感じる目標」の設定は非常に難しいのですが、現状の日本では、家庭で親御さんにしかできない最高の声かけです。 例えば、 人形が好きなお子さんなら「この人形を入れるには、もっと高くしたほうがいいね」 お菓子が好きなお子さんなら「あめをいっぱいれられるサイズにしようよ!」 電車が好きなお子さんなら「電車の車両基地にしようか!」 こういったお子さんごとにある「必然性を感じる目標」をいい塩梅で設定できるのは親御さんならではです。子どもたちは嬉々として遊びに没頭してくれますよ。