全米メディアは大谷翔平へのMLBタイ記録となる異常な四球攻めをどう報じたのか…「ファンは失望」「恐怖で歴史的四球率」
記事は「エンゼルスがプレーオフ圏外となり大谷が興味の中心であることから相手チームが彼にストライクを投じることを拒否するとファンは明らかに失望を見せている」と本拠地の様子を伝えた。 そして「最近の四球増は、相手が彼にストライクを投じる数が減り、最終的により多く大谷を歩かせることになっている。マドン監督は、試合前に『彼が四球を選んでいることは気に入っている。良くない球をスイングして三振し、悪いアウトを取られるよりははるかに良い。彼は塁に出て盗塁し、得点するといった他の方法で貢献することができる。彼はそれをする必要がある』と語っていた」と続けた。 MLB公式サイトは「大谷の恐怖で歴史的四球率」との見出しを取り、「大谷が金曜日にまたもう一つのメジャーリーグ記録に並んだ。今回は終盤戦に相手チームが大谷をどれだけ警戒しているかを示すものだった」と伝えた。記事は、22日(日本時間23日)の同地区1位のアストロズ戦にキャリア最多となる4四球、翌日の同カードで3四球を選び、この日、ワイルドカード争いを演じているマリナーズ戦で4四球だったことを伝え、2016年にハーパーが作った3試合で11四球というメジャー記録に並んだことを紹介した。 同メディアもオレンジカウンティ・レジスターと同じマドン監督の試合後コメントを引用。マドン監督は皮肉を込めて「我々も(大谷を歩かせたマリナーズの作戦を)評価しなければならない。いいところまでいったが、得点を奪えなかった」と語ったという。 さらに異常な四球攻めにより生まれた記録面を紹介。 「大谷は、過去50年で3試合で10四球以上を選んだ選手として、ハーパーとボンズに加わった。驚いたことにボンズでさえ3試合で11四球はなかった。また大谷は2003年のボンズ以来、ア・リーグでは2000年のホワイトソックスのレイ・ダーラム以来、初めて3試合連続で3四球以上を選んだ選手となった。3四球以上を選んだ連続試合のメジャー記録は、ベーブ・ルース(1930年)とミッキー・マントル(1957年)の4試合だ」。大谷は大打者の証明でもある四球記録でも歴史を塗り替えようとしている。 また敵地のシアトルタイムズ紙も、マリナーズの勝利を伝える記事の中で、大谷の四球について触れ、「(抑えの)シーウォルドは9回裏にブランドン・マーシュを1球目でライトフライに打ち取り、素早く1アウトを奪った。そして大谷を迎え、スコット・サービス監督は、ア・リーグMVP最有力(の大谷)へ、この試合、2度目の申告敬遠、4つ目の四球を選ばせることを指示した」と、9回一死走者無しから、同点走者となるにもかからず申告敬遠を選択した場面を取り上げた。 さらに「サービス監督が言及したように、これはギャンブルだったが、計算されたものだった」と評価。 サービス監督のコメントを紹介した。 「従来はないことだが、我々は2021年のマリナーズなんだ。我々は普通のチームではない(ワイルドカード争いをしている)。だからやってもいいではないか」 敵将は、勝利のためになりふり構わず大谷を歩かせるのが最善の策と決断したようだが、大谷の本塁打タイトル獲得を願っているエンゼルスファンにとっては納得のいかない異常な四球攻めとなっている。