「非常にエキサイティングな展開」チェイナリシス共同創業者が語る日本のWeb3
暗号資産が「次第に浸透してきた」日本
日本国内ユーザーの暗号資産の浸透度について、レヴィン氏は「年々普及が進んでいる」とみる。暗号資産の普及度合いを国際比較したチェイナリシスのThe Global Crypto Adoption Indexでも、日本は2022年には世界で26位だったが、2023年には18位まで上昇している。 レヴィン氏が注目しているのがウォレットの普及だ。Web3に取り組む大手がセルフカストディウォレット(資産を自身管理下に置くタイプの暗号資産ウォレット)の提供を進めていることも、暗号資産やさまざまなサービスに対する日本国内ユーザーのアクセス増加につながるだろうとレヴィン氏は考えている。 「日本にはウォレットを持ち、暗号資産にアクセスできるユーザーが数百万人いる。ここから何が起きるのか非常に楽しみだ。新たな暗号資産関連マーケットプレースや、ステーブルコインを通じた決済サービスの開発が進む可能性がある」(レヴィン氏)
いちはやく法制化された「ステーブルコイン」をどう見る?
ステーブルコインをめぐる動向については、どう見ているだろうか? ステーブルコインは最も広く取引されているデジタル資産のひとつであり、国境を越えた支払いにも利用されていることから、チェイナリシスの顧客である取引所、カストディ、法執行機関、規制当局らは皆、ステーブルコインのネットワーク上で何が起きているかを把握したがっていると説明した。 USDCやUSDT、BUSD、日本でもJPYCなど、数多くのステーブルコインが登場している。ステーブルコインをめぐる法規制をいち早く実現した日本では、「用途に合わせた異なるステーブルコインが登場してくるだろう」とレヴィン氏は期待する。 RWAトークン(現実世界の資産をデジタル化し、ブロックチェーン上で取引可能にしたもの)については、「コンサートチケットなどブロックチェーン上での管理に適したものもあるが、RWAをブロックチェーンに乗せる試みは全体として苦戦している。今後拡大はするだろうが、最終的に成功するのはデジタル要素が強い中身のものになるだろう」と予測した。