【夏の薬膳】体の熱を取る食材や、夏バテ回避のための食べ方を知って夏を快適に
全国的に梅雨も明け、本格的な夏がやってきました。夏バテが心配な時期ですが、薬膳の考え方を活かせば、選ぶ食材や食べ方によっても体調を整える手助けをすることができます。管理栄養士・薬膳コーディネーターの宮崎さんに、体調管理のコツを教えてもらいました。 【画像6枚】余分な熱を取る働きのあるおすすめ食材などを画像でチェック!夏の体調不良改善のヒントに
夏ってどんな時期?何に気を付ける?
こんにちは、管理栄養士・薬膳コーディネーターの宮﨑奈津季です。 年々暑さが増す夏。体調管理のためにも食べるもの、食べ方には気をつけたいものです。薬膳の視点で考える夏の食事についてお伝えします。 ⚫︎「暑邪」に注意 中医学では、病気を引き起こす原因を「邪気」、自然界にある邪気が侵入し、病気の原因となっていることを「外因」と呼びます。よく見られる外因の邪気は6つあり、これを「六淫(りくいん)」と呼んでいます。 夏は「陽気」が盛んになる時期とされており、人の体も心も向上します。一方で、夏は体に熱がこもりやすく、六淫のひとつである「暑邪」が強くなるため、熱が出たり汗をかいたり、体液を消耗してしまうことがあります。 その結果、食欲不振や夏バテ、熱中症といった症状があらわれることも。適度に体を冷やしてほてりを鎮め、水分のとりすぎに気を付けることが大切な時期です。 ⚫︎夏は「心・小腸」に影響が出やすい 中医学では、人の臓器を「肝・心・脾・肺・腎」の「五臓」に分類しています。さらに五臓を補う「胆、小腸、胃、大腸、膀胱」の五腑と体内の空間である「三焦」を「六腑」と呼びます。 夏は、五臓の中でも「心」という部分に負荷がかかりやすい時期です。「心」は、意識や五臓をコントロールする働きがあり、全身に流れる血液の循環にも関わっているとされています。 また、六腑の中では「小腸」に影響が出やすく、心と小腸は表裏の関係であるとされています。小腸は胃で消化したものを分別する働きがあり、悪くなると心も不安定となり眠れなくなることもあります。 ※中医学での「五臓」は、西洋医学での臓器を直接指すものではありません。例えば「肝」=「肝臓」というわけではない点に注意してください。