「コカ・コーラ」一強でも1999年は「ペプシ」が逆転… “コーラの多様性”をコンビニから考える
切り崩せない「コカ・コーラ」の牙城
渡辺:そこから目覚め、現在はコーラにまつわる活動をされていらっしゃる、と。 空水:本業は会社員をしています。出勤時に、ファミリーマートで「焼うどん」か「上海風やきそば」とおにぎり、サラダを買うのがお決まりです。コーラ事情でいえば、最近ファミマは「ペプシコーラ」を置き、大容量のファミマ限定の「ペプシ」も置いてくれていて、嬉しい限りです。 渡辺:コンビニとコーラで言うと、販売が終了していた「コカ・コーラレモン」が、2014年にセブン限定で復活したときは驚きました。コンビニとの限定コラボ商品って、他メーカーではよくありますが、コカ・コーラ社はそういった『留め型商品』の展開をそれまでずっとしていなかったので。 空水:僕は限定品の1つとしか見ていませんでしたが、おもしろい見方ですね。 渡辺:意地悪な見方ですよ(笑)。やっぱり取引的な立場としてはメーカーよりコンビニのほうが基本は強いんです。でも、中にはメーカーの代えの効かない商品もいくつかあって、「コカ・コーラ」はその代表的な商品なんですね。
1999年は逆転するも…「コカ・コーラ」の強さ
空水:それでも少しだけ変化はあって、今はナチュラルローソンなど一部コンビニで、「UMAMI COLA(ウマミコーラ)」や「伊良(イヨシ)コーラ」というクラフトコーラが販売されています。特に「UMAMI COLA」は、スパイスが沈殿するため、飲み口側を下向きにして売られる、ちょっと変わったデザインも特長です。 渡辺:いかにもナチュラルローソンという感じですね。空水さんはクラフトコーラ連盟の会長をされているとのことですが、正直、僕はあまり感動するような商品に出会ったことはないというか。ご当地系のクラフトコーラやPB商品も含めてコーラ系飲料はいろいろ飲んできましたが……。いや、全体的な傾向としての話です。すみません。 空水:いえ、本当に嗜好に寄るので、やはり中にはどうしても苦手な方もいらっしゃいます。 渡辺:どんなコーラを飲む時も「コカ・コーラ」っぽさを期待したくなるというか。 空水:クラフト“コーラ”という名称の呪いでもありますね。 渡辺:僕の小さい頃はコンビニも無く、飲料の選択肢も全然なかった時代ですが、「コカ・コーラ」だけは普通に売られていたので、“洗脳”されているんだと思います。自販機の数も圧倒的で、地方の高齢の方にも「コカ・コーラ」好きは多いイメージあるんですが、「コカ・コーラ」って結局おいしいんでしょうか(笑)? 空水:世界シェアも「ペプシ」より「コカ・コーラ」のほうが大きいので、やはり完成度的には高いのかなと。 渡辺:少なくとも万人にウケの味になっている、と。コンビニの売り上げシェアはずっと「コカ・コーラ」が上なんですが、1999年に「ペプシ」が1度だけ抜いたことがあるんです。『スター・ウォーズ』のボトルキャップキャンペーンの時でした。でも、そこで多くの人が「ペプシ」を飲んだにも関わらず、すぐ売上は元に戻りました。