<高校野球>ピンチ抑えた自信、裏目に 前戦完投の疲れも 明石商・中森俊介投手
◇第91回選抜高校野球準決勝 ○東邦4-2明石商●(2日・甲子園) ほれぼれする美しい軌道の直球でバットに空を切らせ、捕手・水上にガッツポーズをさせた。2安打に暴投を絡めて招いた六回2死二、三塁のピンチ。2番・杉浦に粘られながらも、9球目の高めの144キロで空振り三振に仕留めた。 【決勝3ランをたたき込んだ東邦・吉納の一打】 だが、この場面で得た「直球で押せる」という自信が、次の回に裏目に出た。七回2死一、二塁で外角に投じた直球には威力がなく、わずかに浮いて中堅左のスタンドに放り込まれた。2日前の準々決勝で161球で完投した影響から「初回から疲れがあった」と万全ではなく、球数が100球を超えた七回に球威、制球力とも落ちていた。 今大会は全4試合に登板し、この日は123球を投げて3度目の完投。昨夏の甲子園でも1年生ながら登板しており、その時と比べて「課題はまだまだあるけれど、良い投球はできた」と納得している。「もっと制球を追求したい」。甲子園に確かな足跡を残し、2年生右腕は更なる成長を誓った。【田中将隆】