岡本多緒 トップモデルからハリウッドで俳優デビュー、初めて監督に挑戦した短編映画が劇場公開!
■自身の宣材として映画を撮ることに
(C)2024 MIRRORLIAR FILMS PROJECT ※「MIRRORLIAR FILMS Season6」全5作品の1篇「サン・アンド・ムーン」 2023年、短編映画「サン・アンド・ムーン」で企画、監督、脚本に初挑戦。最初は、自身が日本語で演じる俳優としての宣材を用意するためだけに制作されたというが、第36回 東京国際映画祭 Amazon Prime Video テイクワン賞 ファイナリストに選出された。 「本格的に日本で俳優活動をするにあたって、そういえば日本語でお芝居をしている素材があまりないな…ということに気づいて。 最初はあくまで、その宣材として自分で映画を撮ってみようと思ったんです。それがたまたまこういう風に評価いただけて、本当にありがたいなという感じです。 でも、自分で脚本を書いて、演じて、監督…と言っても映画学校を出ているわけでもないので、テクニカルな事とか知識も全然なくて。とりあえず自分の書いた本を面白く見せられたら、良い芝居の演出をつけられたら、という思いで始めたのですが、準備の段階、撮影中、編集作業まで全てを含めて本当に楽しくて、『この領域をもうちょっと試してみたい!』と思ったんです。 もともと趣味でいろいろ書いたりはしていたんですね。コラムをやってみたり、誰に見せるでもないストーリーを書いてみたりしていて、いつかタイミングがあれば何らかの形にしたいな~と思っていたんですが、自分で撮るというのもありなんだなって気づいて。 そして完成した時に、いろいろと手伝ってくれていた助監督の子に、『いい作品ができたから映画祭に送ってみれば?』と言ってもらったんです。そんなことは全然考えてもいなかったのですが、『だったら、せっかくだし出してみようかな』みたいな感じで映画祭などにエントリーをはじめて。 今回の『MIRRORLIAR FILMS PROJECT』も、その際にこういった企画があることを知り、一般応募をしてみたら、ありがたいことにSeason6に選出していただきました。 短編映画が映画館で上映されること自体がすごく貴重だと思いますし、個性豊かな方々の作品と一緒にオムニバスで上映していただけることもすごく光栄です。公開がとても楽しみですし、なにより母がすごく喜んでいます」 初監督に挑戦した短編映画「サン・アンド・ムーン」は、父親の葬儀に突然現れた異母兄(曽我潤心)と30年ぶりに顔を合わせた妹(岡本多緒)が、父が火葬されている間、レストランで共に過ごすぎこちない時間を描いたもの。妹の言葉の端々に父の再婚後の幸せそうな生活を感じ、男は恨み節を並べていき険悪なムードになっていく…。 ――レストラン運ばれてきた飲み物が(注文と)違っていた時、そのことは言うけれどそのままでいいという。ただ我が強い人ではなく柔軟性もある人だということがわかりますね。それだけにその後の気まずい雰囲気に彼女の戸惑い、ショックがよく表れていると思いました 「ありがとうございます。それは初めていただく感想です。うれしいです。ウエイトレス(後藤萌咲)がアイスとホットの注文を間違えて持ってきてしまうというのは、実は二人の会話を何回も何回も邪魔してほしいという狙いだったんです。 俳優として妹視点で考えると、二人はすでに気まずいから、『もう飲み物なんて何でもいいから、この状況を早く終わらせたい』っていう心情の表れでもあると思いますが、我が強いというだけでなく、滲み出る彼女の人間性も感じ取ってもらえたらうれしいです」 ――険悪な空気の中、お互いが知らなかった父親の顔を知ることになっていきますね。お互いの立場がなんとなくわかるけど、でもすんなりとは受け入れられない 「そうですね。その心の迷いなどを考えてカットを選んでいたんですが、そういう編集作業も楽しくてしょうがなくて(笑)」 ――初めての監督作品と思えないほど完成度が高い作品ですね 「ありがとうございます。うれしいです。こうして評価をしていただけたことで監督としての自信も湧いてきたのですが、自分で書いた作品を映画化するにはまだ力不足なところもあって…。 1作目はすごくシンプルなシチュエーションでしたし、2作目はもうちょっと実験的なことをしましたが、これから映画制作のパートナーとして一緒に成長できるような撮影監督など、そういう人と出会えたらいいなと思っています」