OPPOが発売した3年ぶりのハイエンドスマホ「Find X8」はいいとこ取りでバランスが絶妙
日本市場への参入後、積極的なプロモーション、価格と性能のバランスに優れた製品展開で、急速に知名度を伸ばしてきたOPPOだが、2021年の「OPPO Find X3 Pro」を最後に、日本発売されたスマホは、エントリーモデル、ミドルレンジモデルのみとなっていた。 【写真30枚】釘も打てる耐久性を持つ「OPPO A3 5G」は3万2800円!OPPOの新作スマホを写真で詳しく見てみよう 「もうOPPOは日本でハイエンドモデルを取り扱わない」といった噂も流れた中、昨年の発表会では、オウガ・ジャパン専務取締役の河野謙三氏が、ハイエンドモデルを準備していると明言。そして2024年11月29日に、宣言通り「OPPO Find X8」の日本市場投入を発表した。
約3年ぶりのハイエンドモデル「OPPO Find X8」の魅力
日本では約3年ぶりのハイエンドモデルとなるOPPO Find X8。この3年間、ユーザーから待望の声も絶えずあったが、これまで発売を見送ってきたモデルは、日本市場で価値を訴求する上で、インパクトが弱いと感じていたとのこと。妥協を許さず、完璧を追求してきたからこその、取り扱い見送りだったと説明している。 今回のOPPO Find X8は、「メーカーとしての取り組みや、会社としての方向性を強く打ち出せる製品」と、自信をうかがわせている。そのため、あえてしがらみのない、オープンマーケット向けに、いち早くするに至った。 海外メーカーの場合、日本向けのローカライズや、販路の調整といった理由から、グローバル市場での発表から間を開けて日本発表されることが多い。一方で、今回は日本向けローカライズを最小限に抑えた代わりに、グローバル発表から1週間という短いスパンでのローンチとなっている。 通信キャリアでの採用はなく、おサイフケータイ機能にも非対応だが、これも早さを重視したため。OPPOが日本のマーケットや、ユーザーのニーズを研究した、現時点での回答が、OPPO Find X8ともいえるだろう。 ■薄くて軽い筐体、約1.45mmの極細ベゼルを搭載 OPPO Find X8が、久しぶりの日本市場投入ハイエンドスマホに選ばれた理由の1つに、筐体の薄さと軽さがある。本体サイズは約74×157×7.9mm、質量は約193gとなっている。 約6.6インチのディスプレイサイズを鑑みると、比較的軽量な仕上がりといえる。また、近年のハイエンドスマホは、カメラレンズが大きく出っ張っている製品が多く見られるが、OPPO Find X8はかなり薄型。ポケットに入れても邪魔になりにくいのは魅力的だ。 本体カラーはスターグレーとスペースブラックの2色。どちらもメタリックな見た目、マットな質感で、ハイエンドモデルに相応しい高級感が漂う。ただし、極端に目立つわけではないが、若干指紋の付着も見られた。 個人的に最も気に入っているのが、画面の縁(ベゼル)の細さだ。4辺全てが約1.45mmとなっており、前面はほぼディスプレイといえる仕上がり。動画、ゲームといったコンテンツを再生した際に、没入感に優れるのはもちろん、本体サイズのコンパクト化にも、一役を買う。4辺全てが同じ細さなので、ぱっと見の統率感にも優れる印象だ。 そのほか、ディスプレイ解像度は2760×1256のフルHD+で、有機EL素材を採用。最大輝度は1600ニトとなっている。リフレッシュレートは、最大120Hzに対応している。 ■スウェーデンのカメラメーカー「Hasselblad」と共同開発した3眼カメラ アウトカメラは、すべて5000万画素の3眼構成となる。日本では初めてとなる、スウェーデンのカメラメーカー「Hasselblad」との共同開発カメラとなっており、ポートレートの自然なボケ感、光と影のコントラストといった細部にまでこだわられている。 スマホとカメラメーカーの協業といえば、シャープ、シャオミとライカのタッグが有名だが、OPPOが培ってきたカラーサイエンスとのシナジーといった観点から、Hasselbladと手を組んだとのことだ。 また、望遠カメラには、世界初のW型プリズム望遠レンズを採用している。これにより、本体の厚みを抑えながら、大型のセンサーを搭載できており、光学3倍ズームに加え、デジタルズームは最大120倍にまで対応した。10倍以上のデジタルズーム撮影時には、生成AIによる補正が加えられ、画質の劣化を抑える。 近年のハイエンドスマホは、大型イメージセンサーの搭載といった、ハードウエア面でのアプローチに加え、AIによってどのように補正、編集するのかも、競争のポイント。OPPO Find X8では、OPPO AIと呼ばれる、オンデバイス、クラウドの両面でAIを活用する機能が利用できる。 具体的には、気になる写り込みを消去する機能や、ガラスの反射を削除する機能、目をつぶっている被写体を修正する機能などが利用できる。 そのほかのAI機能として、文章の要約や翻訳、返信内容の提案、文法や誤字の添削ができる機能などもあるが、日本語対応は2025年3月以降になる予定だ。 ■高い処理性能とIP69防水防塵性能を搭載 搭載チップセットは、MediaTek Dimensity 9400。高負荷なアプリゲーム、AI処理などもこなせるハイエンドチップセットに加え、OPPO独自のトリニティエンジン技術により、CPUとシステムのピークパフォーマンス、電源効率が最適化されている。 グラファイトシートとベイパーチャンバーの組み合わせで、冷却性能も優れているとのことだ。メモリは16GB、ストレージは512GBとなり、ストレージ12GB分を仮想メモリとして使用する機能も搭載されている。 耐久性も優れており、IP68、およびIP69の防水防塵性能を備える。真水への浸水、高圧洗浄の水圧、80度の熱湯噴射にも耐えられるとのことだ。日常生活で、いつ80度の熱湯噴射がスマホにかかるのかと疑問にも思うが、それだけの耐久性があれば安心であることに間違いはない。ディスプレイは米軍MIL規格や、スイスSGSの耐衝撃テストをクリアしている。 ボタン類は、側面右側に電源ボタンと音量調節ボタン、左側にはアラートスライダーボタンを搭載。アラートスライダーボタンは、上下にスライドすることで、サイレントモード、バイブレーションモード、着信音モードの切り替えができる。スライドボタン式になっているため、スマホを目で確認しなくても、設定が行えるのが強みだ。 バッテリーはシリコンカーボン素材で、5630mAh。80Wの急速充電、最大50Wのワイヤレス充電にも対応する。Qi2規格にも対応するが、マグネットによる貼り付けは非対応。ただし、同時に発売される純正カバーを装着すれば、マグネットでの貼り付けが可能になる。生体認証は、指紋と顔の両方に対応する。ソフトウエアアップデートは4回、セキュリティアップデートは6年に対応した。 公式サイトより販売されるオープン市場向けモデルは、13万9800円。機能全部乗せのフラッグシップモデルではないものの、ハイエンドモデルとして各機能を追求した製品になっていることは間違いない。極端に機能をてんこ盛りにし、20万円を悠に超えるフラッグシップモデルはもう不要と感じる人には、ぴったりのスマホだろう。