＜センバツ＞石岡一・岩本、最後に心の乱れ 併殺狙い悪送球
◇第91回選抜高校野球 ○盛岡大付3－2石岡一●（25日・甲子園） 延長十一回1死満塁、フルカウント。石岡一の岩本大地投手は、サヨナラ押し出しのピンチに観衆の励ましの拍手が耳に入った。「悔いのないように腕を振ろう」。170球目。142キロの内角直球で詰まらせた打球が目の前に転がる。「勝ちたい」。併殺を狙おうと焦って本塁へ投げた白球はバックネットへ。その場にうずくまった。 【石岡一vs盛岡大付の熱闘を写真特集で】 「終盤までは楽しめた」。140キロ台の直球にスライダーを織り交ぜ、4者連続三振と上々の立ち上がりを見せると、八回までは強力打線を2安打に封じた。昨夏の甲子園で準優勝した金足農の右腕・吉田（現日本ハム）の動画を参考に体重移動を工夫。冬場の投げ込みもあってフォームも安定し、課題だったスライダーなど変化球の制球力が改善。快投につながった。 だが、「あとアウト三つ」と気負いが生まれた九回につかまり、最後も心の乱れがプレーに表れた。好きな言葉は「平常心」。初めての甲子園は、その言葉の重みを教えてくれた。【安田光高】
