ロシアに残ると徴兵の恐れ、移住先からは「出て行け」の声。母国を去ったスケーターたちの苦悩
戦争の責任を背負って生きていくロシア人
夜遅くに広場に現れたステファン(28歳)は、終わりの見えない戦争に悩んでいる様子だった。 彼はロシアの首都モスクワを出てすでに2年間をここで過ごしている。あと1年住み続ければ市民権が取れる。その先はどうするのか。答えは出ていない。 いつまでここにいるべきなのか。それともここに根を張るべきなのか。 「一つ言えることは、俺たちはお客さまじゃないんだ。ここはあくまでセルビアの土地なんだよ。言葉も学ぶべきだし、地元の人たちに敬意をもって接しなければならない」 ステファンは故郷から持ってきた傷だらけのスケボーに足をかけながら言った。 「でも受け入れてもらえるなら、セルビアのためになることをしたい」
テキスト・撮影 by 児玉浩宜 / 編集 by 川谷恭平