元大型トラックドライバーが提言! 高速での安全走行は大型トラックの後ろを走るのが正解!!
トラックの後ろが安全!?
自動車大国日本では、全国各地に高速道路が張り巡らされている。それはとても便利な存在であると同時に、ときとしてとても危険なものへと姿を変える。速度が出ているぶん、大事故を誘発してしまうのだ。連日のように胸が痛む事故が報道されているが、その大半が高速道路であるという事実が、その危険性を物語っている。 【写真】言われてみればありましたそんな装備! トラックドライバー懐かしの「速度表示灯」とは そんな高速道路をより安全で便利なものとして活用すべく、自身が事故の加害者にも被害者にもならないための術を、元大型トラックのドライバーであった筆者の目線で考察してみたい。 高速道路でもっとも身近に潜む危険が追突事故。なかでも渋滞最後尾に大型トラックが追突してしまうと、とても悲惨な事故を招いてしまうことになる。その原因は、大型トラックの前方不注意であるのはいわずもがなであるのだが、追突されないための策を講じることも大切だ。 もちろん、高速道路を走行中に急ブレーキをかける行為はご法度である。いくら危険を回避するためだとはいっても、とても褒められたものではない。それを防ぐためには適正なる車間距離を保持することが望ましいのだが、車間を空けて走行しているとすぐに割り込まれてしまうため、自車の安全を確保することは不可能に近い。できうる限り追い越し車線ではなく、走行車線をまったり走ることが重要だ。 意外に安全なのは、大型トラックに続いて適正なる車間距離を保ったうえで、走行車線を走り続けること。一台でも先に行きたいというせっかちで荒い運転をする乗用車のドライバーは、得てしてトラックの後方につくことを嫌う。なんとしてでもトラックの前に割り込もうとするため、トラックの後方を走る自車の前に割り込まれる可能性が少なくなる。それゆえに、安全が確保できるのである。
基本的には走行車線を活用
渋滞の最後尾につくときも同様に、走行車線にとどまることが望ましい。そもそも追い越し車線に居座ることは立派な違反行為なのだが、そのようなドライバーは基本的に速度を出す傾向にある。走行車線は合流などで流れが悪くなってしまうし、ゆっくりと走るトラックや乗用車が多い。そのため、せっかちなドライバーは追い越し車線へと強引に移動してまでトバしてくる。そして、自車が安全に止まれるかどうかなど考えていないため、追突される危険性が高まるのである。 渋滞時に追突されないようにハザードを点灯させることも、追突事故の防止に大きな効果を放つ。単調な構造の高速道路では漫然と運転しているドライバーが多いため、自車の存在を後続車へと知らせることが重要となるからだ。 とにかく、高速道路を走行する際は走行車線を活用すること。それは交通法規に則ったものであるのだが、追い越し車線を走り続けるクルマの多さが目について仕方がない。そもそも、そんなに急がなくとも到着時刻に大差はないということに気づくことが大切だ。 あとは、高速道路の構造にも注意したい。なかでも危険なのは、トンネルが多発するエリアや上り坂。運転に不慣れな人ほど自車の速度管理ができておらず、また速度メーターを見ないで運転してしまうもの。圧迫感を感じるトンネルや上り坂では速度が自然と低下してしまうことに加え、速度の低下にも気づけないため、回復運転に努めることもない。そのため、自然と流れが悪くなってしまうのだ。 そんなドライブこそが自然渋滞の原因となっているのだが、速度差が大きくなってしまうために追突事故が起きやすくなってしまう。 事故を防ぐためには追突することだけではなく、追突されないような運転を心がけなければならない。よく追突されたと被害者ぶる人を見かけるが、意外にもそちら側に原因がある場合も多いのだ。 いずれにせよ、適正なる車間距離の確保と流れを乱さぬ運転、そして自車の速度管理は高速道路を走る以上、抜かりなく行ないたい。それらを心がけるだけで、高速道路における事故や自然渋滞は大幅に減ることだろう。
トラック魂編集部