後半には2班に分かれて質問タイムが設けられた

ミネ　子育ての話も出ましたが、移住するメリットというのはありますか。 松尾　定期的に30～40代のお母さんたちと集会をやっていますが、厳しい事を言われることが多いですね。ベビーカーで通れる道が少ないとか、ハード的には非常に改善しにくい街だっていうのは、鎌倉にとってみると致し方ないところもなかなかあるんですが、ただそういう人たちを温かくみんなで助けていこう、見守っていこうという空気が最近非常に出てきているのが鎌倉の良い所かなと思っています。 　また、自然をいかした子ども向けのプログラムがすごく多いので、鎌倉で子育てをするのであれば、鎌倉ならではのそういう活動にぜひ参加してもらいたいなと思います。 平井　道が狭くて、ベビーカーを押すのになかなか苦労するというのは逗子も同じですね。でもぜひ強調したいのが、道は狭いけど交通事故は非常に少ないという点です。道が狭いから、車も注意しながら走らざるを得ないんですね。横断歩道で停まってくれる車も多くて、歩行者と車が共存する街というのを標榜して、みんなで作っていこうしています。

鎌倉最大の課題・観光客による混雑

ミネ　街として一番困っていること、改善したいことはありますか。 松尾　鎌倉は観光客が多いので、住民と観光客の軋轢が一番の課題ですね。なかなか色分けができるようなものではないので難しいのですが、たとえば江ノ電は今日も何時間待ちなんていうことになってしまうものですから、普通に学校行くのにも乗れないという状況になっているので、住民を優先的に乗せてほしいとか、住民専用の車両を作ってほしいといったことを、かなり強く言われています。 ミネ　JRより江ノ電が顕著ですかね？ 松尾　公共交通機関でいうと江ノ電、街中でいうと、鎌倉駅周辺、長谷駅周辺が観光客がとても多く、かつ道路が狭いというのがあって、住民の人が買い物に出歩くにも大変という状況があります。 ミネ　具体策は何かあるんでしょうか。 松尾　車を鎌倉の外に停めてもらって、そこから乗り換えて交通機関で来てもらう「パークアンドライド」というのを長年推進していたんですが、残念ながらなかなか目に見えた効果が出ていなくて、それをもう一歩先に進めた「ロードプライシング」という、鎌倉に入ってくる車にお金をかけるというところまで踏み込もうと、検討しているところです。逗子の方からすると、鎌倉が通過できなくなって困るんじゃないかと思いますが。 平井　僕は観光シーズンは鎌倉は絶対通りませんね（笑）。逗子も、葉山の人は駅がないから逗子駅を使うので、雨の日なんかは葉山からの車で渋滞して大変なんです。朝の6時半～7時半くらいは、駅周辺は一般車両通行禁止にするくらい、思いきったことをしても良いかもねと雑談してたんですが。いろいろ実験はしてみた方が良いと思います。