「24時間で1匹…」かつて9万匹近くも獲れた“サケの漁場”のいま 昨シーズンの漁獲数は過去最低の151匹「日本のサケがなくなるのでは…」関係者に募る危機感
青森県内の川を遡上するサケが近年、激減しています。漁獲数がかつて、県内1位だった奥入瀬川の漁協では、昨シーズンは6年前の1%未満にまで落ち込みました。 ▼漁獲量激減の「サケ」11月上旬までの漁獲数は青森県全体で約5000尾… 対策どうすれば? 関係者は「このままいけば青森県のサケがなくなる」と危機感をつのらせています。 ■「きょうは24時間で1匹…」青森県内1位の漁獲数誇った川の現在 十和田湖から流れる「奥入瀬川」です。サケを採卵し、ふ化させている奥入瀬川鮭鱒増殖漁業協同組合は、漁獲数が2022年まで県内1位でしたが、いまは深刻な不振に直面しています。 奥入瀬川鮭鱒増殖漁業協同組合 戸来敏幸 組合長 「8万匹くらい獲れていた時は、1日で設備が2回いっぱいになったけれども、令和になってからどんどん下がって、きょうは24時間で1匹。考えられないな」 漁協では、主に特殊な水車で川を遡上するサケを獲っていました。かつては、この時期になると…。 ■かつてのサケ漁の様子は… 9万匹近くも獲れた過去 1998年の映像です。サケを獲るのは9月~翌年の1月までで、シーズンが到来すると漁協は活気に溢れていました。近年も漁獲数は県内1位で、2015年と18年のシーズンは9万匹近く獲れましたが、その後は急激に落ち込み、昨シーズンは過去最低の151匹にまで減りました。 今シーズンは10月末の時点で192匹、昨シーズンほどではありませんが、依然として厳しい状況が続きます。 奥入瀬川鮭鱒増殖漁業協同組合 戸来敏幸 組合長 「漁師にサケを獲ってもらうために、ふ化放流しているから、卵がとれないと海でも獲れない。国民の貴重なタンパク源がなくなる。このままいけば青森県・日本のサケがなくなるのではないか。そういう危機感があります」 なぜ、遡上するサケは激減しているのでしょうか―。 ■サケ激減の理由は? 組合は、奥入瀬川の河口から約5kmの場所でサケを獲り、卵をふ化させて稚魚を放流しています。北上したサケは北太平洋で3年~5年ほどかけて育ったあと、再び奥入瀬川へ戻ってきます。ただ、近年は温暖化により海水の温度が上昇。海流が変化し、稚魚が北上しづらくなったうえ、エサとなるプランクトンが減少しているとされています。
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